ずっと、その気持ちを持ち続けられればいいわね
重い主張を笑いとかで逃げないで直球でまとめきった脚本と
眉毛の1本1本まで意のままにしているような天海さんの演技と
達者な子役たちの演技がからみあって、
記憶に残るドラマになったと思います。
このドラマは、
まず、言いたいことがある、ところが明確です。
途中でリタイアした人以外は、程度の差こそあれ、
わかりやすく伝わったと思います。
あとは、
その表現方法に納得するかどうかということです。
(ドラマの展開はほぼ当初の予定どおり、
反響により途中で話を修正した部分は
極めて少ないのではないか、
と私は思っています。)
人により、
1.真矢先生はやっぱり良い先生だったんだ、よかった
2.阿久津先生は良い先生かもしれないが、
人を脅迫するなど、やっていることは間違っているから、
これで良しとはできない。
3.阿久津真矢のような先生は許せない
など、いろんな感想があろうかと思います。
阿久津真矢は、
「言いたいことがあります」を優先した脚本のなかで、
物語の主張したいことに都合よく動かされている部分があるため、
辻褄の合わない部分が生まれ、非常に分かりにくい登場人物です。
阿久津先生の発言は、
和美たちに対して二重の意味があるだけでなく、
視聴者に対するメッセージを和美たちに直接語るため、
表面的には矛盾だらけになります。
加えて、物語の展開の上でも、
物語上の問題の発生も解決もひとりで行う役割になってしまっていて、
行動の統一感が失われる場合がありました。
私は、そのこととは別に、
阿久津真矢というキャラクターに共感した部分があり、
それにより、この物語に納得できました。
教育者のあるべき姿についての、作り手の主張のひとつとして、
生徒には個人的な本音や弱みは絶対に見せない教師像、
ということがあったのではないかと私は考えています。
教師は生徒を教育することが唯一無二の使命であり、
それ以外の余分なことは生徒には見せないということです。
従って、どんなに生徒に感動しても、
阿久津先生は生徒に涙は見せない。
最終回では、
生徒のデータを全部消したときの、安堵したかのようなため息、
最後の、和美の背中に向けられた微笑み、
今までになかった阿久津真矢の姿が見られました。
そして、
(生徒に見えないところで、)
阿久津先生の本音がいくつか語られました。
「どんな教師を素晴らしいというのかさえまだ分かりません」
真矢自身、教師としてどうあるべきか模索し続けている、
ということです。
でもそれを生徒に見せたり気取らせたりする気はない。
それは、生徒の成長とは関係ないことだから。
真矢の苦しみを和美は知る由もない、知る必要もない。
これからも阿久津真矢は教師を続けてゆく。
あの最後の微笑みの後、
向きを変えた真矢の唇はもう固く閉じていたはず。
彼女は馬鹿馬鹿しいほど不器用な人間だ。
自分の主義を貫くせいで、再教育センターにばかり行っている。
でも言い訳はしない。
「自分のやっていることが
間違っていると思ったことなんて一度もありません」
そういうある意味愚直な人間としての阿久津真矢に私は共感し、
そんな真矢が誰にも見えないところでふともらした、
最後の微笑みに感動しました。
(各回の感想)
女王の教室 5 友達も消えた…もう学校なんて行かない!先生どうして私をイジメるの
http://inatt.seesaa.net/article/398821213.html
女王の教室 10 真矢、最後の授業
http://inatt.seesaa.net/article/398821248.html
女王の教室DVD特典ディスク
http://inatt.seesaa.net/article/398821372.html
女王の教室 エピソード1 〜堕天使〜
http://inatt.seesaa.net/article/398821771.html
女王の教室 エピソード2 〜悪魔降臨〜
http://inatt.seesaa.net/article/398821470.html
20200409追記
15年後に志田未来が演じたもの。
ドラマ #レンタルなんもしない人 、
— inatt (@inatt) April 9, 2020
コンクリートに寝転がる志田未来。#女王の教室 では、
「本当につらいときは、
頭の中でカウントエイト数えてから立ち上がれ」
だったんだけど。
今回はそのまま寝てしまうドラマだった・笑
「この国では100人のうち6人しか幸せになれないの」
あれから15年。
第十話で、志田未来演じる和美は、
6%の人しか幸せになれないという先生の話を
「そうじゃないと思います」とはっきりと否定しました。
あの教室の生徒たちは、今、どのように生きているのか。
( 彼らの多くはおそらくまだ20代で、おじさんから見れば、人生まだまだこれからだ・笑 )
■この先何があっても、その気持ちを絶対に忘れないで
20200922追記
20200918の「A-Studio+」での
女王の教室のとき、伊藤沙莉が天海祐希から言われたこと。
15年前、先生に言われたことをずっと覚えている生徒の一人。
(続き)伊藤「『あなたはメインで(カメラに)抜かれるところじゃなくても、必ずしっかり気を抜かずお芝居をしてる』って。『当たり前かもしれないけど、それができる子は少ない』って言われて。『この先何があっても、その気持ちを絶対に忘れないで」(続く)
— 飲用 (@inyou_te) September 19, 2020
(続き)伊藤「どっかで誰かが見てるし、絶対誰かが見つけてくれるから、そのままでいて』って言われて。『それ以上もそれ以下もない。そのままでいて』って言われて、『わかりました』って言ったのがずっと残ってたんで」(続く)
— 飲用 (@inyou_te) September 19, 2020
(続き)伊藤「その後も結構学園ものが私多かったので、メインじゃないキャラクターっていうのもめちゃくちゃやってきたんですけど、それだけはずっと忘れないでやってきた」/『A-Studio+』9/18
— 飲用 (@inyou_te) September 19, 2020
🐯 #トラつばメイキング 🪽
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) April 6, 2024
タイトルバックでのダンスシーン。
実は #伊藤沙莉 さんとダンサーのみなさんで、実際に踊って撮影していました!
振り付けを担当したのは、#yurinasia さんです💃
何度も動きを確認しながら本番に挑みました!#朝ドラ #虎に翼#米津玄師「さよーならまたいつか!」 pic.twitter.com/h5jz8XJnsS