2022年06月04日

20060723 【TV】 題名のない音楽会21 ボレロの謎 ( 20220604 ボレロと輪廻転生 )( 20220707 ボレロと生命力 )


 
ラベル(Ravel)がボレロ(Boléro)を作るときに駆使した、
オーケストレーション(管弦楽法)の妙を、
羽田健太郎が解説し、演奏を聞きました。

とても刺激的で感動しました。

(岩村力・東京交響楽団)


・最初から最後まで1つのクレッシェンド

・2つのメロディ

・変わらぬテンポで同じリズムの繰り返し
 ( 2小節×169回、楽譜指定(72)どおりなら14分10秒 )

・徐々に増えていく演奏楽器
 真ん中で一度だけ、トロンボーンのところで、
 演奏楽器が減る

・不得意な音域(*)で演奏する楽器と
 得意な音域で演奏する楽器が交互に使われる
  (*)フルートの最低音、ファゴットの最高音

・ユニゾンとハーモニーの交互の繰り返し

・劇的な転調により駆け上がり、一気に終わる
  




ボレロは同じことの繰り返しなのに飽きないのはなぜですか?





題名のない音楽会

20220604放送「楽器は役者!熱くドラマチックなオーケストラの音楽会 後編」op.2763

小林研一郎

「「ボレロ」って、それぞれの楽器が自分の人生を語り尽くしていくと思うのです、輪廻転生(りんねてんしょう)っていうか」
「一瞬、太陽がその全てを遮って、ぶぁっと射すところ(*)があるんですね、その瞬間にボレロが全く違う世界に浮上するのです」

(テロップでは
  「「ボレロ」は、それぞれの楽器が自分の人生を語り尽くし、次へ繋ぐ「輪廻転生」」
  「曲の終盤、太陽が射し、喜びにあふれた輝かしい世界に一変する」 )

( 「生まれ変わって」はいないかも、とひとりつっこみ )


(*)転調するところ

東京フィルハーモニー交響楽団とのボレロの演奏

( 観客4人!(石丸幹二、水谷豊、檀れい、武内絵美アナ)で聴く )

( 演奏者の名前がテロップで紹介されるのが好かったです
  カメラワークも今回の趣旨に沿った、
  通常とはちょっと違う、個々の演奏者のアップが多いもの。
  ミキシングも映像にあわせ調整されていると思いました。 )

以下、小林氏の解説テロップ

「スネアドラムが最後まで同じリズムを刻み続けます。輪廻転生のはじまりです。」

「最初にメロディを奏でるのがフルート。楽器1人ずつが人生を語り、次へ繋いでいきます。」

「オーボエ・ダモーレは「愛のオーボエ」という意味。優しく甘い、愛をささやくような音色の楽器です。」

「サクソフォンは、オーケストラに編成されることが珍しい楽器です。」

「本来、ソプラニーノサクソフォンのパートですが、現代ではソプラノサクソフォンでの演奏が一般的です。」

「トロンボーンのソロは3000m上空を綱渡りするような命がけの高難度の演奏です!」

「太陽が射し、喜びにあふれた輝かしい「天国」へと一変しました。」



( 個々の楽器や奏者に光をあてる趣旨と感じていたので、
  マエストロはひとり陶酔しすぎでは、とも思いました・失礼 )

( 楽器ひとつひとつが人生と捉えるなら、
  特にといえば、
  小太鼓、トロンボーン、シンバル、大太鼓、銅鑼に思いがいきます。

  最初から最後まで同じフレーズを同じテンポで叩き続ける小太鼓

  途中でひとり、楽器の特性から得意といえないフレーズをあえて奏でるトロンボーン、

  最後の最後だけ出番があるシンバルたち。

  最後、シンバルなど打楽器奏者を映して欲しかった )



「輪廻転生」という言葉に、

映画「愛と哀しみのボレロ」を思い出しました。

https://www.imdb.com/title/tt0083260/



les uns et les autres で動画検索 )





20220707 クラシックTV 「安藤美姫とボレロ!」

「生命力」と「官能」をキーワードにしていました。



出だしの小太鼓は響き線の場所をはずして叩く
(上部を使っているのは見ていましたが、理由を知りました)

リズムパターンの最後の6連符のところ、
メロディの譜割とはあわず、
そのぶつかりから生命力、エネルギーが生まれ、
躍動感が生まれる

エネルギーがそこかしこで生まれてくる



エモーショナルな心の動きが生じる理屈の説明が興味ぶかい

(ラベルは理屈で聴衆の感情を動かすものを作っているように思える)


楽器の種類と数が次第に増えていくことを示した大きなパネルが用意されていたのですが、

あまり使われず、残念でした。

「ピッコロとホルンとチェレスタの変なハーモニー(パイプオルガンの倍音)」

「演奏者は官能とか考えていない」

( ジョルジュ・ドンもそうなのか、興味深い。赤い円卓の上の"メロディ"も何かに踊らされているのかもしれない )






ボレロを解説したテレビ番組としては、

NHKの「名曲探偵アマデウス」名曲探偵ファイル No.001 ボレロ 謎の高校生失踪事件

も、とても好かったです。(2008年放送)

( 失踪するのは小太鼓担当・笑 )

https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010557_00000


posted by inatt at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想など・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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