2008年10月05日

20081004 【TV】 あの人に会いたい 作家 埴谷雄高 (1910〜1997) NHK映像ファイル#191 精神のリレー

 
埴谷雄高(はにや ゆたか)が言う。

「精神のリレーはですね、
 死んだ人のリレーを
 僕はやっているわけですよ、あなた
 仲間なんですよ、あなた
 人類は全部精神によって、
 僕がギリシャの哲学者のものを
 読んでわかるっていうことは
 全部友達なんですよ、あなた
 ギリシャの哲学者も全部。
 僕の先輩であるとともに
 僕の友達なんですよ、あなた
 その精神とか、共有して、リレーして、
 それをまたつなげなきゃ、誰かに、僕は

「ただぼくはね、
 ( 「死霊」を完成させることが )
 できなくてもいいわけなんですよ
 そういう志を立てるっていう人が
 必要だというわけなんですよ、僕の場合は。
 そういう志を立てたら
 誰かが気がついて
 300年後だか知らないが
 前にこんなやつがいた
 おれも同じことをやってみようと思うやつが
 出ないとも限らないですよ
 そういうやつは、
 ちょうどドストエフスキーに
 僕は感心して、やったら、
 ドストエフスキーは19世紀だったけれども
 僕は20世紀だから
 戦争と革命を経ちゃって
 新しい天文学、宇宙論が出たから
 新しい存在論をやれたわけだ。
 だから僕から300年後に
 僕を偶然発見したやつは、
 もっと僕より新しい所から
 出発できるわけですよ。
 古書店の隅に何か黒い本があると、
 それを読んだ人が
 「こいつばかだなあ
  おれならもっとうまくやれる」
 と思う人が必ずいるかもしれない、
 その時代には。
 そういう人に巡り合ってほしいわけですよ、
 僕の本は。


最後に、ナレーションが語ります。

「「死霊」は、平成9年、
 埴谷の死とともに未完に終わりました。
 書物の中に残された埴谷の魂は、
 精神のリレーを待っています。


私は、埴谷雄高を読んだことがありませんが、
それなら、と、
このエントリーを書こうと思いました。
  
 
posted by inatt at 04:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ・感想など・TV・NHK総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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