2009年02月16日

20090215 【雑誌】 Number 722 言葉力。 ( 野村監督の著作にはどれも同じ内容が繰り返し述べられているという )

 
監督論がテーマ。
最も印象に残ったのは、
二宮清純、金子達仁両氏の対談における、
王貞治監督の話。

二宮「先ほどの監督の資質(神秘性、解決力など)に
 最後に付け加えるとしたら、
 「徳」だと思うんです。人徳力、人がついていく徳。(略)
 なぜ前回のWBCで王さんが世界一になれたのか。
 逆に北京五輪で星野さんは不幸な結果に終わったのか。
 第1回WBCでの王さんの態度、
 たとえば審判への抗議などは毅然としていて、
 美しかった。
 勝利の女神も惚れますよ。

最初に読んだときは、「なるほど!」と
すごく納得したのですが、

少し冷静になってみると、これは違うように思います。
因果関係が逆立ちしていると思うのです。

王監督のカリスマ性の成分のひとつを、
「徳」と表現したところに、すごく納得したのですけど、
それと、勝負の結果との因果関係は証明できない。

たぶん、正確には、
WBCに勝っても、リーグでソフトバンクが最下位になっても、
「王さんだから」と皆が納得する、
それが王監督の「人徳」なのであって、
勝利の所以とはいいきれない。

 そうは言っても、「徳」というのは、
 生まれながらに備えたものでなく、
 品行方正とか、人が良いとかいうことではなくて、
 球界の盟主球団から、
 別リーグのBクラスチームへ都落ちし、
 卵をぶつけられるような場面も潜り抜けて、
 勝負師としても結果を出した人の、
 それらの体験をすべて混ぜこぜにして、
 濁ることなく昇華させた、
 いつのまにか身についた何か、
 類まれな属性なのだと思います。

北京五輪も、
監督が王監督だったら勝負の結果が変わっていたか、
それは分からないと思います。
でも、同じ敗退でも、
王監督と星野監督の「徳」の成分の相違により、
世間の反応は違っていたのだろうと思います。


もうひとつ、メモしておきたいな、と思ったのは、
野村克也監督著作の近刊12冊を精読して、
そのポイントを抽出した記事。(松原孝臣)

その内容を更に圧縮して紹介すると、

・監督とは気づかせ屋である。
 自己流の間違いに気づかせて本来の力を発揮させることが、
 成功の第一歩。
 ただ叱れば聞くものではないので、
 説得力を出すために、データを使う。

・情の重要性。人を動かすものは心だ。

・最低限の才能人材がチームには必要。
 成績だけでなく他の選手の手本となる姿勢が求められる、
 4番とエースが組織の中心にあれば、
 組織は正しい方向に進む。
 ただし、そんな才能を持つ4番とエースは育てられない。
 そうした人材は獲得するしかない。

・あるレベルに達しない選手には、
 チームワークでなく、個人主義を推奨する。
 中途半端なレベルの選手がチームワークに加わると、
 全体のレベルを下げてしまう。

どの本にも、これら、同じ内容が繰り返されているという。

何故か。

・伝えたいことは、
 相手が分かるまで、同じことを言い続けることが重要だから。


ここまでのお話で、
ドイツワールドカップで、
ジーコジャパンが勝てなかった理由が説明できそうな。

・神秘性はあるが、解決力のない(気づかせられない)監督
・情(徳)のあるチームリーダーの不在により、
 組織の中心が未形成
 中田選手には実力(神秘性)はあるが、人がついていく徳がなく、
 宮本選手には特に黄金世代に対して、
 個人の実力を根拠とした説得力(神秘性)がない。
・一部の選手がチームワークの形成を妨げた。

・チーム貢献がほとんどなかった黄金世代の選手たちは、
 将来、指導者として適性があるか疑問。

日本サッカーの長期的な展望は暗いものであるような気がしています。
  
  
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 2/19号 [雑誌]

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posted by inatt at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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