2012年12月24日

【ドラマ】 平清盛 2012年

    
2012年、一番楽しみにしていたテレビ番組は、
大河ドラマ平清盛でした。

正直、前半は少し退屈していたところもあったのです。
西行の出家とか、エア矢とか、ちょっと引いてみてました。
でも、
第二十回「前夜の決断」からは、ずっと面白くて面白くて仕方がありませんでした。
 http://inatt.seesaa.net/article/398822460.html (前夜の決断の感想)

最終回で、西行が清盛に語りかけた言葉は、
第一回の、清盛の母舞子が語ったことと同じものでした。
そこであらためて第1回を観なおすと、

・母舞子が語る「遊びをせんとや生まれけむ」の意味
  嬉しいときも楽しいときも
  また、つらいときや苦しいときさえも
  子供が遊ぶみたいに
  夢中になって生きたい
・父忠盛が語る「心の軸」
  おのれにとって生きるとはいかなることか、
  それを見つけたとき、心の軸ができる
  心の軸が体をささえ、体の軸が心を支えるのだ
・心の軸、体の軸のように、地面に突き刺される剣
  死にたくなければ強くなれ

それらが、清盛が物語のなかで示してきたことを、
・面白う生きる
・武士の世を作る
・武士とは勝つこと
第一回で、はっきりと提示していることに気づきました。

音楽もその後の重要な場面で使われるもののほとんどが
第一回で使われています。

それから50回に渡り、繰り返し現れる、伏線や象徴の数々、
西行や祇園女御/乙前の使い方、
ひとりひとりの登場人物に宿るそれぞれの生きざまの物語、
多くの名演技、
ちょっとやそっとの分量では書ききれるはずがありません・笑

(他の方のツイートのパクリですが、)

大河ドラマ「平清盛」という素晴らしい作品を存分に味あわせていただきました。

と、父が・笑




【各回の感想】

#銀河盛 で、気付いたのは、
オープニングタイトルを毎日観ても、
飽きないこと。
テーマ曲とそれにあわせた映像の素晴らしさ。


第一回 ふたりの父

この回の軸は、間違いなく平忠盛(中井貴一)。

主役(松山ケンイチ)が登場しないのに、
1回分のドラマとしてもよくできているし、
50回に渡る長編ドラマのテーマを
明確に提示している。


第六回 西海の海賊王

「俺は海賊王になる」とは、
もともとは兎丸が宣言したことだが、
最後に清盛が同じ言葉を叫ぶ。
清盛が兎丸の夢を簒奪したのだ、と思いました。
忠盛が朧月の息の根を止めたように。
その夢は平家が滅んでから兎丸の息子に戻った。


第十回 義清散る

初回に観たときは、よく理解できなかったのですが、
この回は、この物語でいくつか示される、

「怪物と闘う者は、
 その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
 おまえが長く深淵を覗くならば、
 深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」

というお話のひとつと思います。


第二十回 2012年5月20日 前夜の決断

見どころの連続でした。
この回だけで、まるで歌舞伎の名作場面集を観ているかのような。

義朝の心の葛藤を表すのに、
本人には何も語らせず、
正室と側室に真逆の台詞を吐かせ、

一方、
「こんなときゆえこそ欠かせぬのです。恋する心というものが、ね」
とは、その対比の単なるコメディリリーフではないことには、
戦いの中で「浪の下にも都の候ぞ」と人生を終えた人に、
それを言わせているのです。
だから、
息子に、(あえて言うと血の繋がっていない息子に、)
「ゆめゆめ、命を粗末にするでない。決して無駄に捨てるではないぞ」
というのもよくある平凡な言い回しに見えてそうでもない。

最後には、

「清盛、お前と儂の間には、絆など、はなっからないわ」

この台詞を話す人も聞く人も、
言葉の表で意味することとは異なることを
発し、かつ、受け取り、
そして、観ている人にそうと分からせる名演技。

この回だけで、いつまでも繰り返し観るに値するものになっていると思いました。



第二十二回 勝利の代償



第二十三回 叔父を斬る





第二十五回 2012年6月24日 見果てぬ夢

 源義朝のどろんとした瞳に光が戻るところ、
 アップのワンカットで見せる、玉木宏の演技が凄いと思います。


第二十六回 平治の乱


第二十七回 宿命の対決


「矢」が空から降ってきた、でした・笑

第二十八回 友の子、友の妻


第三十回 平家納経


第三十四回 白河院の伝言

この回が物語全体の構造上とても重要です。
この回があるので、
主人公は、
この世にいない父と直接会話し、
自分が赤ん坊のときの母の死に様を
目の当たりにすることができたのです。


第三十九回 兎丸無念

第2回で清盛は、国松、時松、蝉松を助けようと必死でした。
今回は、彼らが、怪我をしたり、人柱になろうとしても、
清盛は何も言わない


第四十四回 そこからの眺め ( 2012年11月11日放送 )


第四十六回 頼朝挙兵


第四十七回 宿命の敗北
 最後に、画面の右下に題名が現れた瞬間、胸をつかれました。
 ああ本当に偶々でなく宿命なのだ、と。

最終回 遊びをせんとや生まれけむ






ーーーーーー

【銀河盛の話】

20170503追記
2017年2月より、チャンネル銀河で再放送されました。

NHKの再放送より先んじた、
この放送は、
この作品を語るうえで、
長く語り草になると思いました。




「「平清盛」という作品は素晴らしい、
 という自分の考えは間違っていない。
 間違っているのは視聴率だ」

と再確認させてもらいましたし・笑、
同じようなことを思っていたかもしれない、
多くの人の気持ちが、
#磯Pなくして平清盛はなかった
というタグを生み出したことも語り草になると思います。

心の軸って大事ですね


もうひとつの感想は、
このドラマは、平日毎日見るには、重すぎる・笑。
叔父を斬るを放送していた頃など、
初見の人の体調を気遣うツイートがありました。
同感ですけど、ドラマ鑑賞でそんなの、異常ですよね・笑。

今更ですが、日曜夜8時に家族で観る、
という観点では、失敗作なのかも・笑

金曜日23時とか、土曜日22時とかの放送枠ですかね。
昔、エログロ描写もあった、
古谷一行金田一の横溝ドラマシリーズが、
土曜日22時放送だったことを思い出しました・笑。

2017年夏にも銀河チャンネルで放送されるそうですが、
週に2話か3話くらいでいかがでしょうか・笑

( 20170622追記
  2017年8月5日(土)より、
  毎週土曜朝2話連続で放送されるそうです・笑
  
  
 )


【視聴率の話】

視聴率が高いとは、多くの人に支持されていることの証拠で、
名作に、高視聴率を記録したものがあるのは当然なのですが、
だからといって、逆に、
視聴率が低いすなわち駄作である、
とはいえないことは当たり前の理屈。
この作品の作り手の皆さんはそういうことは百も承知で、
公に愚痴や言い訳めいたことを一切おっしゃらないのが、
エライな、と思います。

初回放送時に視聴率を稼がず、
後に、誰もが認める名作となったものは、
世の中にいくらでもありますので、
これから評価が上がっていくのを
今後の楽しみにします。


(20150418追記)

最近、花燃ゆの視聴率が低いという話題で、
平清盛が引き合いに出されることが多いように思います。
関係者でもないのに、それがちょっと悔しい・笑
気づけば、NHKオンデマンドでも観ることができない。
いつか必ず再評価されると信じているけれど・笑

他のかたにお勧めするにも、
観ることもできない状態は困ります・笑

#未見の人に大河清盛の凄さを語るなら
  http://togetter.com/li/840572

ーーーーー
20151217追記

2015年、花燃ゆの視聴率話のたびに引き合いに出された平清盛ですが、
とあるかたのツイートによると、

平均視聴率が大河ドラマ史上ワーストタイとあるけど厳密には
・平清盛…12.011%
・花燃ゆ…12.003%
で清盛のほうが0.08%上なのか(´・ω・`)

ということらしいです・笑
どんだけ接戦やねん・笑


20161219記

2017年2月より、チャンネル銀河で再放送されることになりました。

「2012年のTwitterトレンドテレビドラマ部門では第1位を獲得」
という宣伝文句が使われていましたが、
他のドラマは、3か月や半年の放送ですので、
1年間放送する大河ドラマが1位なのは自然なこと、
と冷静に指摘しておきます・笑

しかし、Twitterで盛り上がった真田丸が終わった後の
このタイミングでの放送で、
このドラマの良さがより広まれば好いなと思います。



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【twitterの話】

作品が、面白いか面白くないかは、
自分で決めたいと思っていますが、
ひとりだけで楽しむよりは、
日曜の夕方、BSで一度観ておいて、
8時から総合テレビでTwitterを眺めながら、
2度目を観るのは大変楽しい経験でした。
twitterでいろんな気づきをいただけた方々に感謝します。


【再編集版の希望】

続編やスピンアウトの制作よりは、
再編集版が複数作成されることを望んでいます。
50回分を色んな角度から
味わい尽くしたい。

・ひとりひとりに焦点をあてたもの。

(失礼ながら)鎌田通清でさえ、ひとつ作れる。

・ひとつの関係性に焦点をあてたもの。

 父と子、母と子 など

・ひとつの立場に焦点をあてたもの。

 例えば、「武士の妻」

  第23回叔父を斬るの予告編で、
  時子、由良、常盤、池禅尼の顔が続くカットに、
  時子の台詞、
  「今になってようよう分かったのじゃ
   武士の妻になるとはいかなることか」
  がかぶさるところとか、好かった。 

・伏線の回収や象徴的なシーンの繰り返しに焦点をあてたもの。

 剣の取扱い など

・登場した和歌や今様


5分ものや10分ものがたくさんNHKオンデマンドにアップされたら好いなあ。


【描かれなかったこと】

ドラマが奥行のある良質なものであればあるほど、
描かれなかった事さえ、いろいろと想像させられます。
史実はどうあれ、
フィクションを楽しむとはそういうことだと思っています。

小原御幸の事

「進んで一門のお役に立つことをせよ」とは、
時子は滋子に言ったのですが、
娘にもしっかり教育したらしいことには、
「平家に生まれたからには、女であってももののふ。
 きっと見事に役目を果たします」
と徳子は言い、
父は、
「徳子、そなたほど、見事な働きをしたもののふは、
 国中どこをさがしてもおらん。あっぱれな娘じゃ」
と遺言しました。
そんな徳子であるならば、
壇ノ浦ののち、後白河と会ったときには、
どんなふうだったでしょう。
なにか、もののふの一族の生き残りの矜持を、
わずかながらにも、示したのかもしれないと思いました。

( 話は変わりますが、
  重盛経子の婚礼や清盛が徳子を褒めるときの劇伴「五月の夢の歌」は、
  娘の結婚披露宴で流そうものなら父号泣だと思いますが、
  嫁に出す娘をもののふ呼ばわりするのは止めましょう・笑 )



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脚本が同じ藤本有紀である、「ちりとてちん」の感想
http://inatt.seesaa.net/article/398822366.html


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posted by inatt at 11:14| Comment(1) | ・感想など・TVドラマ・NHK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。はじめまして。

遅まきながら、今年後半ザ・ホワイトハウスにはまり、検索してお邪魔させていただきました。特に後半になるともう夢中で見まして、2回目を見るとまた夜も眠れぬということになりそうなので、我慢しているところです。

そのうち落ち着いたら2回目をと思っていますが、感想を書いていらっしゃるのを拝見し、書いていらっしゃる記事を友として見れたらたのしいな、と。

「清盛」は時間の都合で後半見れないまま過ごしましたので(何もTVを見なかったので)録画が山積! ワタシが見れた範囲ではとてもいいドラマに思えました。お正月に見るつもりです。視聴率がついてまわるTVの世界、何とも口惜しいことです。

ホワイトハウスの記事を読ませていただけるのがうれしくて、ついご挨拶だけでもと思ってしまいました。年末のこんな時期に油を売ってる場合ではないのですけれど(苦笑)。どうぞよいお年を。だらだらと失礼しました。
Posted by あ き ら at 2012年12月29日 15:05
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