2015年11月07日

【映画】 ギャラクシー街道 2015年 ( 三谷幸喜はいつかミュージカル映画を作るのか )



20151106記
 
事前に悪評も見ていたのですが、
だから観にいこう、と思ってしまった。

有楽町の映画館は、金曜夜というには、ちょっと寂しい観客数でした。

でも、全然「アリ」な映画でした。
もう一度観に行こうと思う。

( 後で書きますが、宣伝のしかたが間違っていると思います )

映像作品を繰り返し見たくなるのは、
共振を得にいくのかな、と思いました。

脱皮する夫だけど好き、
食べ物の食べ様が可愛くて好き、

という物語の登場人物の気持ちに共振させられたら、
それが映像作品の力だと思う。

だから、この作品はきちんと映画になっていると思う。

ーーー

20151113にもう一度、観ました。
同じく金曜日の最終上映は、がらがらでしたが、
それよりも驚いたのは、
上映中ひとつも笑い声が起こらなかったこと。
三谷さんは、生の反応を知るために、
映画館に足を運ぶことがあると
どこかで読んだことがありますが...

下ネタは、あえてやっているとすると、
もの足りないのは、音楽かもしれないと思いました。
舞台では音楽は流れないけど、
シットコムでは笑い声が必要。
映画では、劇伴が必要。

また、
THE有頂天ホテルでのYOUの唄、
ステキな金縛りでの主題歌、ONCE IN A BLUE MOON、
そして今回のThe End of the Universe/宇宙の果てまで
には、
共通の嗜好があるように思うので、
三谷さんが満足するものができるまで、
これからも繰り返されるかもしれないですね。


( 20221104のA-Studio+で、
  「一回、映画でミュージカルをやりたい」と語っておられました。
  そのときのために、
  過去の映画では歌のシーンを入れてきた、
  準備というか、実験のために。
  日本のミュージカル映画では、
  アメリカ映画と異なり、
  入り込めない何かがある、
  その違和感の、その謎を解いている途中だと。 )


最後、香取慎吾が、
ショップから出て行く各登場人物と会話を交わすと
よかったなと思いました。
最初と同じような愛想のない会話でも、
観ているほうは印象が変わると思う。

あと、この方向性を進めるなら、
今までの三谷映画とは
異なるスタッフと組む必要があるのかも、
とかとか、余計なことを考えながら観ていました・笑


ーーーーーーーーー

それにしても、
今、世間でこの映画が批判されているところなど、
テレビで大ヒット作品を生み出してきた、
この映画の作り手たちが事前に気づかないはずがなく、
その作品が問題作である所以は、
作り手が分かっていて、
あえてそれをやっているところだと思う。

ビリーワイルダーを敬愛する三谷幸喜の好みと
大興行収入を望む製作側の希望、
どんな折り合いをつけたのか、
お互い見えないことにしているのか・笑

だから、
子どもを連れていきたいと思う映画では決してないのに、
テレビ局資金が入っているよくある映画と同じように、
テレビCMを流す宣伝方針のほうが
作品内容よりよっぽど問題だと思った・笑

( これも作り手たちは、十分に分かっているが、
  あえて触れないことにしてるはず
  万人に受けると思って作っていない、
  と表明した宣伝なら、
  中傷まがいな批判は封じることができたのでは )

三谷幸喜は、
ビリーワイルダー作品のような映画を
いつか作ることを望んでいる。
その一方で、
日本のテレビドラマの保守本流、
大河ドラマの脚本も現在担当している。
そこでは、
日本で最も脚本家にプレッシャーのかかるテレビ番組で、
相応の世間的評価(視聴率)を得ることも
自分に課しているはず。

この両立が達成されたら、
それこそ、他で聞いたことのない稀有な事例になる。


( 20221105追記

  長編ドラマ大河ドラマを3作書き、
  結果(視聴率)も出した。

  次のチャレンジは、
  ミュージカル映画か、
  ワイルダー映画か。 )





20230304追記

三谷さんが、鎌倉殿を終えて、
「稀代の喜劇作家にして群像劇の名手」とか枕詞のつく巨匠扱いとなったので、

本作で、

私は、金曜日の夜に、2度、日比谷の大きい映画館にでかけ、

2回とも、十数人しか観客がおらず、
1回目は、熱いファンなのか、無理やり大きな声で笑う観客がひとりだけ、
2回目は、本当に最初から最後まで、誰一人笑わなかった、

というのを目撃したことをはっきりと書き残しておくことにした。

この映画はホントに謎で、

三谷さんが好きな米国コメディと同じような乾いた都会的な雰囲気をはずして、

本作は、宇宙を舞台にしたホラー映画を思わせる、

画面も少し暗く、ネバネバなものをたくさん出し、

登場人物たちが最後カーテンコールのように去っていく、

三谷さんの得意技をあえて封印していたり、

西川貴教さんのこれまでの三谷映画のなかで一番の熱唱を大空振りさせたり、

意図的なのか、なにか背景があるのか、

今までの成功パターンを避けて、

わざわざスベリにいっているような作品だと思います。

( あと、偶々かもしれませんが、
  挑戦的なことをするときに、香取慎吾を起用する・笑 )


三谷さんは変な言い訳はしないので、

私の疑問が解けることはないのかもしれません。


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posted by inatt at 08:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想など・三谷幸喜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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