2016年11月26日

20161113 【TV】 NHKスペシャル 「終わらない人 宮崎駿」  業の深い人、悪魔的な人


 
「後継者を育てたよ」
「育ててやらせると結局食べちゃうことになるんですよ」
「その人たちの才能を食べちゃう」
画面には際限なく周りのものを食べるカオナシ
「コイツにやらせてみたいっていう人間はもう一人もいなくなった」
「スタジオは人を食べていくんですよ」


( 宮崎駿のような、後世に「芸術家」と扱われるような人の
  「後継者」というものを作ろうとすることが
  そもそも無理な話で、
  継続可能な「工房」みたいなものを成立させ、
  ときどき、計画せず、「天才」が生まれるような形でないと、
  ゴーイングコンサーンなものは難しいと考えました。

  20231217追記 )


CGで短編を作ることを勧める鈴木プロデューサー
( CGクリエイターのプレゼン時に川上量生氏も出席していました )

CGディレクターの櫻木優平氏の参加
最初、「作り出したら早そうな気がする」と言っていたが。

宮崎氏は、「去年より100倍元気ですよ」と言われる。
でも、CGの仕上がりに納得できない。

鈴木プロデューサー
「自分の神通力が通用しない。
 本当の引退?
 ただ、そこでの七転八倒でしょ」

最初のシーンにアイデアを足し、
CGに触発されて、カットを手書きで書きだす。

引退したはずなのに、
今作るなら、何を作るのか、なんて言い出す。

そして、ドワンゴ会長川上量生氏がプレゼンする、
AIが作ったゾンビの映像を見て、
「極めて不愉快」
「地球最後の日が近いって感じがするね」
「人間のほうが自信がなくなっているからだよ」
と語り、
ついに長編企画を持ち出す。
( 「手描きでやる」と書いてある・笑 )

そして
「鈴木さんがどういう錬金術使ってもいいですから、
 この映画作れるだけの金かき集めてください」
という。

人のゾンビ映像を批判するいっぽうで、
自分の描きたいもののために、
何してもいいから金を作ってくれという。

なんてことだ、
あなたが一番、業が深い!

「何もやってないで死ぬより、
 やっている最中に死んだほうがまだましだね、
 死んではならないと思いながら死ぬほうが。」

しかし、
宮崎映画の色彩設計を担った保田道世氏が亡くなる。

後継者はいない、
仲間たちは先にこの世から去っていく、
それでも
長編映画を作ろうとするのだろうか。

それにしても、
引退した映画監督に、
ドキュメンタリーのカメラを入れ、
CG制作に触れさせ、
人工知能が作った映像を見せ、
業の深い人の新たな業を引き出す、
すべては、
鈴木敏夫プロデューサーの掌の上のことであるなら、
こんなに悪魔的なことはない。

(荒川格ディレクター)





20220606追記

宮崎氏、鈴木氏だけでなく、

手塚氏だったり、庵野氏だったり、

業の深い、悪魔的な人が作り上げた、

文化的なリレーの中で屹立して、仕事をする、

そのことが後の世に残る作品になるのだな思うようになりました。

後継者を作ることをしなかったからといって、

批判される必要はないなと。


20230715追記

「君たちはどう生きるか」の感想

 http://inatt.tokyo/article/500037327.html






20230310追記

別の話になりますが、著作物の管理については、

ディズニーであれ、ジブリであれ、エヴァンゲリオンであれ、

きちんとやっていかねば、

( 作品そのものの評価は本質的には関係ないにしても )

残念なことにもなりかねないのだなと思いました。





posted by inatt at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ・感想など・TV・NHK総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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