2021年02月22日

【TV】 球辞苑 ( 文化として定着しているスポーツ )


  
NHKBS1の番組。
プロ野球を題材に、こんな狭い話題でと思いながら、1時間楽しめる。

私は、プロ野球や高校野球を観ながら育った世代ですが、
実は、今は、試合の中継にチャンネルをあわせないし、
スポーツニュースですら観ていません。

だから、最近登場してきた新鋭の選手を全然知らないのですが、
それでも、取り上げられる内容は、とても面白く感じるのです。

子どもの頃から、見聞きしてきた、
試合観戦、スポーツニュース、マンガ・アニメの物語の蓄積により
この番組の内容を面白く感じる素養を
知らず知らずに身につけているようなのです。

そういう視聴者がたくさんいることを前提に、
前に、ディープピープルという30分番組をNHKでやっていましたが、
実は、テーマをプロ野球限定にしても、1時間番組をいくつでも作ることができるのでした。


そして、選手にインタビューするにしても、
王貞治には、
ホームランの打ち方じゃなく、
一塁守備について尋ねにいく・笑。


かつて、なでしこジャパンの宮間あや選手が、女子サッカー人気について、
「これをブームではなく文化になっていけるように」と語った(*)が、
日本では、まさしく、野球は文化になっている、
ということをこの番組で感じます。

( ひとつのスポーツがその国の文化のひとつと感じられるまでに、
  1917年生まれの沢村栄治から1994年生まれの大谷翔平まで、
  とてつもなく長い年月が必要であるようです。 )


あと、

プロ野球選手自身がこの番組をよく観ているという話がよく出ますが、
本物のプロが自ら観たいと思う番組っていうのは、
この番組が他の類を見ないものであることを示しています。

世の中に星の数ほどの、ノウハウものやプロの技紹介ものがあろうとも、
1時間やそこらの番組で、
本物のプロがなるほどという内容が含まれるものはないと思います。
最高級の料理人が、テレビの料理番組で、なるほどと感心するなんて、変ですよね。

どんなジャンルであれ、本当のプロならそうだと思います。

誰しも、自分がとても詳しく知ることについて、
あらためてテレビ番組から教わることなどめったにないと思いませんか。

最もマスな対象に向け制作するテレビ番組の特性ともいえます。

ところが、この番組は、
プロがなるほどを思わせるものを内容としているし、
一般の視聴者もそれを観て、内容を理解し、楽しむことができる、
稀有なものとなっています。

番組の制作者の素晴らしさと
日本において野球というスポーツがいかに社会に浸透しているかを思います。

もちろん、
10年後20年後に、
世の中の人の野球というスポーツへの理解度が変わってしまう、
ということもあると思います。





(*)「応援したくなる文化に 宮間あや」
    日本経済新聞電子版 20191008

 若い頃から今に至るまで、
 宮間選手が女子サッカーと文化について
 長く考えてきたことが語られています。

 素晴らしい文章で、
 多くの人の目に触れてほしいと思っています。

 ( 日本サッカーの坂の上の雲
    http://inatt.tokyo/article/463339262.html )





20220312放送「打撃投手」

ベイスターズや巨人でバッティングピッチャーをしていた
白井正勝氏の話が

たいへんに深みを感じる興味深いものでした。


posted by inatt at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想など・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック