2022年05月04日

【ドラマ】 カムカムエヴリバディ 2021年 ( 全体の感想 )



物語をずっと見守ってきた私たちは知っている





2021年度下期の朝ドラ、

カムカムエヴリバディ ( A family story that spans 100 years Come Come Everybody - Since 1925- )

の全体の感想


( 各EPISODEの感想

   http://inatt.tokyo/article/487291647.html )






■朝ドラ版「愛と哀しみのボレロ


親子を同じ俳優が演じるところとかの共通点。

https://www.imdb.com/title/tt0083260/

本作はこの名画とならべても遜色ない朝ドラ「傑作」だと思います。


橘・大月家の100年だけでなく、

たとえば、
赤螺家の100年もきちんと設定され、描写されている。



■長編ドラマ「改訂・善女のパン」・笑 (20220313記)


・オー・ヘンリー短編の原題は「Witches' Loaves(魔女のパン)」  
 
  魔女もパンも両方が複数形
  
  岩波文庫で8ページのお話では虚しく終わるミス・マーサの想いも、
  この朝ドラでは報われる?  

・繰り返し描かれる「伝わらないままの思い」「取り返しのつかない出来事」

 吉右衛門母子にとっての吉兵衛との最後の会話

 ジョーの病

 「それでも人生は続いていく」 


・「ひなたの道」「暗闇でしか聞こえぬ歌」「木漏れ日」

  ひとつだけ肯定し他を否定するのでなく、どれも認めている

  暗闇で何も見えなくとも、耳をすます

  傷ついた人を温かく見守る木漏れ日


・「暗闇でしか見えぬもの」に個人的にはピンときてないところもある。

  暗闇にいると、微かに漏れる光が分かるということかしらん。







過去の朝ドラへのリスペクトがある本作だが、

( 「好きなんじゃ、1日15分だけのこの時間が。
   たった15分、
   半年であれだけ喜びも悲しみもあるんじゃから、
   何十年も生きとりゃあ、
   いろいろあって当たりめえじゃが」(第98回))

実は、るいやひなたは、それほど朝ドラに夢中というわけではない。

朝の15分を、

朝ドラよりも英語講座に力を向けたのが、

本作の主人公である・笑


また、るい、ひなたは、

( 何年も地道な英語講座学習を積み重ねたうえで、)

40代50代になってから、

留学など活発な行動を起こしている。





■自分に繋がる父母・祖父母の物語


わたしはひなたと同じ世代だが、
父母・祖父母が通り抜けてきたことを感じ取らぬまま
過ごしてきたことを知らされた。



あんなに激しい出来事を経験した、
るいとジョーが静かに平凡に暮らしており、
娘のひなたは、
祖母や父母の過去も祖母の家族のことも何も知らず、
無邪気に育っているが、
やりたいことがないことに不安を感じている。


ひとつの物語の下には、
たくさんの過ぎた物語が静かに眠っている。


今この瞬間、今中にも、
過去の物語が隠れている。


例えば、第97回に描かれた、とある8月15日の出来事。


今までの朝ドラにはなかった描き方に、
いろいろ気づかされることがあります。


( EPISODE097は、毎年8月15日に観るべき一篇だと思いました。 )







■描かれていない物語に思いを馳せる

安子の渡米後や

ひなたの、
2022年から2024年にかけて、
自分の祖母や母のことを調べまとめていたと思われる時期のこと、

( それが最終回放送日20220408よりも後の時系列であることから、
  ひなたは、コロナやウクライナの出来事も見ながら、
  作業をしたという妄想 )

描かれていないところにも、

豊かな物語があるのだろうと思いを馳せることがあります。


ひなたは、若い頃、
私たちが観てきた彼女の祖母や父母の過去を知らず、
終戦の日の正午のサイレンがなったとき黙祷をすることもなく、
自分の英語が進歩しないことに悩んでいた。

ひなたは、まるで私のような、何も知らずに無邪気に生まれ育った人だ。

彼女は、

私がこの物語により知ったような事柄を
50歳を過ぎてから、2022年以降に、
自分の祖母や父母たちが経験したことを調べ、
ひとつのテキストにまとめていくことにより、
自分の物語とした。





【歴代朝ドラの最小放送回数?】

100年間の歴史を描いた物語が全112話で最小回数とは不思議なものです。

働き方改革?で週6回が5回になり、
コロナのせいで、
いくつかの作品が放送回数変更を強いられましたが、

それらの作品鑑賞経験により、
個人的には、
150回は少し長すぎて、
120回から150回の間にちょうどよいところが
あるのかもしれないと感じました。

それにしたって、

本作の全112回は朝ドラとしてとても短い。

たとえば、
ちりとてちんの第113回は、
草若弟子の会が始まる直前であり、
お話はまさにこれから、というところ。

構想ではもう少し長いつもりだっただろうから、
苦労もあったのでしょうが、
うまく調整されたのだなと思います。






■語り(は誰なのか、推測の履歴・笑)





語りで、かつ、登場人物と関わりがあることを予想。

三代目ヒロインの息子とか。

あるいは、安子が語る過ぎ越してきた昔話を聞いた人。(20211205追記)

ロバートの息子か孫だな(20211218追記)

ビリーか、君はビリーなんか?・笑(20220208追記)

和子さん「ジミーやで、ジミーとちゃうか」・笑



■「語られたお話」という二重構造


ちりとてちん」も「平清盛」も本作も、

語りの内容を映像化しているという二重構造があって、

客観的視点映像だけでない、

語られたお話の映像という虚実皮膜の層が生まれる。

本作では、さらに、

語る人と語る内容を書いた人が別人というさらに複雑なことになっており、

この語りを書いた人は主観的な想いをほとんど綴らず、


( だから、主観的な言及があるわずかな部分が大変興味深い )


加えて、

描かれたことは

(物語世界の)事実なのか、
(物語上の登場人物が創作した)作られた虚構なのか、

も曖昧であり、

私たちは、それらのことを想像し、

永遠に愉しむことができる。



なるほどと思い、
平清盛における、清盛の夢うつつの出来事である、
第三十四回 白河院の伝言を思い出した。

2周目以降の視聴で、

「物語内の登場人物が、事実に基づきながらも創作した物語」という

新たな視点が提供されるということに気づきました。


第19回のラストの情景を、
語りの作り手はどんな気持ちで描いたのか。

また、

語りの書き手からみると、
平川先生の登場は、
渾身の力を込めて書かれたものと思えます。


さて、るいが視た稔は、

夢か、

現(うつつ)か。


また、カムカムの世界では、2021年度下期の朝ドラは、何だったんでしょう。




トミーのおじさんは、
危うく竹村のおばさんをデートに連れていくはめになりそうだったと
語った・笑


( ナレーションのない回には、意味があるかどうか・20220504記 )



■作り手の皆さんのきめ細やかなお仕事

超ロングパスがよくでてくる藤本有紀脚本では、
制作に関連する方たちは、
どの担当の方も
先を見て準備することが大変だろうなと思いながら、
プロフェッショナルなお仕事ぶりに
感嘆することも多いと思うなど。

・公式Twitterの慧眼



・小道具担当?の方のお仕事ぶり



(ハリー杉山氏の父、ヘンリー・スコット・ストークス(Henry Scott Stokes)氏は2022年4月19日に亡くなられました)


■朝ドラヒロインの味方、濱田マリ




■おはぎゅう200個



https://note.com/nhk_professional/n/n2a37ea9ad266


「母がこう言いました。
 一生懸命やることによって
 仕事が仕事を教えてくれるって言ったんです」

「分からないっていうことは幸せなことよ
 そういう気持ちで人生を送っていれば
 きっといいことがあるわよ」

毎日200個、手間をかけて笹餅を作ることの大変さ。
それでも、年40万円ほどの利益だという。

それでは、
幼児を育てながら毎日200個のおはぎを卸売すること、
1個100円の回転焼きを焼きながら子ども二人を育てあげること
を描くフィクションは、
荒唐無稽な意味のない作り事なのか、どうか。

私個人は、
このノンフィクションとフィクション、
時をほぼ同じくして観たがゆえに
それぞれから感じとれたことがあったような気がした。





■ウクライナの話 Україна Ukraine

映画「ひまわり」の有名なシーンはウクライナで撮影されたものとのこと

  https://www.ua.emb-japan.go.jp/jpn/info_ua/episode/2movie.html


カムカムエヴリバディのタイトルロゴはひまわりの花のようにもみえる

アルデバランのMV には、
歌詞英訳(英語字幕)がついていることを教わりました。

"Aldebaran"

Could we really get along?
Before this world comes to an end

Knowing this blooming will soon die in fade
Yet, giving all I can to devote

Smile, smile my love
Clap your hands to march through the uncertain future

For you and your precious ones can live in happiness
Singing this song of prayer










■終盤の展開を密かに想像して楽しむ覚書 ( 20220320時点 )


・ひなたは英語が上手になる(中の人が凄く練習している情報)

  →1週間もたたないうちに滅茶苦茶上達・笑(20220325記)

・勇、雪衣再登場のあとの、残るキーマンは、きぬちゃん。

 ( 最終回を観てから、
   きぬちゃんは安子と会わせることに意味がある人物なんだなと納得・笑 )


・岡山の「たちばな」

 金太がおはぎを売らせた少年がキーマンだが... 


・健一の「Dippermouth Blues」にはアップライトピアノがある(20220321)

・アニー・ヒラカワ

 私はやはり安子だと思った(20220325)

 上白石萌音さんの再登板を望む人も多いなか、
 最終回直前にいきなり再登場しては、誰が演っても難しい。
 観る人が馴染んでから、謎解きがなされるのでは。



『カムカムエヴリバディ』チーフ演出が最後に語るとっておきのカムカム制作秘話

 https://note.com/nhk_pr/n/n3a700be0147f

 「実は、我々としては、登場して割と早い段階で、アニー=安子である、ということをはっきり分かるように組み立てて作ったつもりだったのです。
小出しに「匂わせ演出」をやっていた気はまったくなかったのです……。」


・最終回予想・笑





最終回予想、勇「『るい』って、そういう意味やったんか!!?」

実際は、勇さんは生涯それを知ることはなかったのではないか、

それも、よき事。



■ひなたのせいで筆者が思い出してしまい懺悔するコーナー


・夏休み最終日の夜の地獄

・ラジオの英語講座を聞いていたことがある。

・大金使ってベル〇〇ツ行ったことがある。

・スピ〇〇ラー〇〇グ買ったことがある


・「るいやひなたを見て、私もラジオ講座で英語の勉強を始めました」
 という人をまだ見ない・笑(あくまで私のタイムライン調べ) (20220407)





■総集編



・非常に工夫した編集が行われており、本編を観ていても楽しめるものになっていると思いました。

 あえて、時系列を変えているところがありました。

・るい編のナレーターが浜村淳になっているのが好かった。

・一方、初見の人が物語を把握できるのかどうか、とも思いました。

 最後に出てきた男の人は誰?とか・笑

・そうしてみると、(大河もそうですが)総集編制作の意味は何だろう?とか、
 根源的な感想を持ちました・笑
 
 ( Twitterで考えると、感想を述べあう、最後のイベント・笑 )

 ( そうか、昔は、お茶の間で家族みんなで観て、そうしていたのか? ) 


■諸々


・名探偵 赤富士鷹

本ドラマと同じく、
ラジオ放送開始から始まる、
藤本有紀脚本のドラマ
「名探偵 赤富士鷹」 第一夜「ABC殺人事件」
  http://inatt.tokyo/article/398821379.html?1637683953


・トンボ学生服の歴史

  https://www.tombow.gr.jp/corporate/enkaku/


・「おサーカス」

 「少年ギャグサーカス」(朝ドラの小道具)

  https://www.kuroji-kanban.com/gagcircus/

 GAG CIRCUSさんのブログ
 
  https://ameblo.jp/gagcircus/


ーーーー





・安子の岡山マラソン



岡山局の結論は、4.4キロ。ドラマ制作者の設定は、1キロとのこと。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20220512/4020012622.html


・安子は毒親だという意見

https://togetter.com/li/1870088

安子との経験がるいの子育てに反映しており、
(ジョーの子育てと混じりあって)
ひなたや桃が育っている。
少なくとも、
安子は過ちのなかった人として描かれているわけではないと思う。










・「海軍兵科第四期予備学生第一期予備生徒名簿
昭和44年に出版された本を入手しました。
巻末の50ページは協賛広告で、多くの人の寄付により出版されたことがうかがえる。

昭和19年12月4420名任官、370名戦死という記述がありました。

「(任官時の戦況は)第一線の任地に赴くこと自体が、すでに難事であった。」
「幸か不幸か、敵と直面する前線まで行き着くことのできた者は、きわめて低い比率を占めていた。」
「そして、前線に行き着いてみると、そこでははなはだ確率の高い、日課として予定されたような死が待っていた」
「下士官・兵からはやっかみの目で、士官たちからはいささか軽侮の眼でむかえられながら」
「もっぱら敗戦処理要員として登場した補欠選手」
(以上、同書の手記より)

戦死者は、昭和20年3月の硫黄島、4月の沖縄周辺、回天特攻が多く目につきます。
8月前半の戦死はほとんどなく、
それよりも、8月15日以降の戦死がいくつもありました。
稔さんが8月11日に戦死したというのは、
戦後に(勇の帰還後)連絡が届くという物語上の都合かもしれませんが、
同期士官のなかでは運が悪いと言えるかもしれず、
美都里お母さんの耳には入れたくない情報でした。(20220819記)













posted by inatt at 11:09| Comment(0) | ・感想など・TVドラマ・NHK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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