(wiki)
(登場人物wiki)
いろんな方面から毀誉褒貶のある本作ですが、
若い頃、いろんな「食の知識」を教えてもらいましたし、
「世の中の食の常識」のうち、本作が伝播元になっていると考えられるものも多い。
また、
超長期連載であるがゆえに、
「世の中の食の常識」が時を経て変化することの証拠となっていることがある。
お話のネタが発表当時はともかく今では多くの人が知ることになっているなど。
本作がいつごろ、どのような主張をしたか、整理しておくことは、
とても意味があると思います。
本稿は、
本作で「何年頃発表されたエピソードに、このようなことが述べられている」
ということをそのまま無駄書きするものです。
「個人的な食の知識の思い出の備忘録の参考資料」のようなもので、
本作の主張の、根拠、出典、是非、正誤については、言及しません。
( マンガ史の面においては、ネットまとめ記事すらいっさいない作者(作画)にも、下世話な面も含まれてしまって申し訳ありませんが、興味があります。原作が全てで誰が描いてもヒットした、とは思えないので、客観的な批評/評価がいつか行われればよいと思います。たとえば栗田ゆうこの外見の変化とか。)
(作品が電子化されていることにより、このような記事を作りやすくなっていることも覚書)
【第2巻(1985年5月1日初版)】
■手間の価値
「この豚バラ煮込みは出来そこないだ、食べられないよ」
「この東坡肉っていうの、これはすばらしい料理だわ。「究極のメニュー」に加えたら?」
杭州の豚の角煮「東坡肉/ドンポーロウ」
— 辺境写真家 栗田哲男 Tetsuo Kurita Photography (@tetsuo_tk) November 18, 2023
皮付きの豚バラ肉を大きなサイコロ状に切り、醤油と紹興酒(花雕酒)、氷砂糖、ネギ、生姜を加えてじっくり煮込んだ料理。とろとろ、ぷるぷる具合が堪らない。ご飯も進みますね。浙江省杭州市の名物。#中国料理 via @TripInChina pic.twitter.com/92z19c8sSe
■そばツユの深味
「この野郎、窃盗犯だッ!! 雷門の「藪」の味を盗みやがったな!!」
■日本の素材
「牛肉に一番良く合うソースは醤油だと忠告してくれる人がいましてね」
■包丁の基本
東京の路上で包丁を掲げる
鯛ふじ ( 食べログ )
■幻の魚
葉山の根つきの鯖
( 松輪サバ )
【第4巻(1985年12月1日初版)】
■直火の威力
中華料理の基本は炒め物
( 実際、炒飯が美味しい料理人のお店は、
ぱらりもふわりもしゃきしゃきも自在で、
その店の炒めものはどれも好いというのは
経験的に思うこと )
■女の華
サメ皮の下ろしでわさびを下ろす
■旅先の知恵
社員旅行
筍の刺身
■酒の効用
三倍増醸 ( 三倍増醸清酒 )
「たいていの酒屋は温度管理も出来ていない所に出しっぱなしにしてある」
「海の幸に合うのは日本酒が第一です」
■食卓の広がり
「江戸前の天プラは本来ゴマ油で揚げるものなんだ」
■うどんの腰
「足で踏んだ方が、うどんに腰が出るからね」
■板前の条件
「煙草を吸うなら料理人になるのはあきらめた方がいい」
■縁日のにぎわい
「女の予想なんか信じた、自分の馬鹿さかげんが許せない!!」
【第8巻(1987年2月1日初版)】
■飲茶
「山岡くん、これは業務命令だ」
この台詞が終身雇用社会のほのぼのとしたノスタルジックを感じるものになるとは・笑
「美味しい物を食べながら政治の話をするなんて、いちばん不純でしょう。」
中国でも日本でも、
今は偉い政治家だが
実は若い頃は苦労人で意外な特技があり、
という物語がとんと作られなくなったような気がする・笑
( 今は、有能でも無能でも、
2世で、ぼんぼん育ちというステレオタイプ・笑 )
■SALT PEANUTS
ストレイト・ノー・チェイサー - セロニアス・モンク
Salt Peanuts - チャーリー・パーカー, ディジー・ガレスピー, バド・パウエル, マックス・ローチ & チャールズ・ミンガス
■スープと麺
「材料(料理の要素)が中国のものである以上、中国の調味料を使う」というのは、
連載時には「理屈で作ったお話」という感想を持ちました。
今は、
日本の調味料を使うか中国のそれを使うかでは、
まったく別の皿になる、というのは理解できます。
しかし、
冷やし中華が日本発祥の料理とするなら、
日本で作る材料、調味料でこそ、
本領を発揮するのではないかと思っています。
( 調味料のひとつ、ふたつを中国由来にすることが、
味付けの肝になるということはありうると思います。 )
【第11巻(1987年9月1日初版)】
■お菓子と夢
「一番高いケーキは、一個千五百円します。」
■トンカツ慕情
「いいかい学生さん、
トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。
それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、
ちょうどいいくらいってとこなんだ。」
【第17巻(1988年12月1日初版)】
■餃子の春
「化学調味料もかなり使っていますね」
「最近のお客さまは、化学調味料の味にならされてしまっているようだから、〜」
「その風潮を変えていかないと、日本の食文化も先がないな。」
アニメの当該エピソード回(初回放送1991年?)の再放送時に
「化学調味料」の台詞をカットしているというブログを読みました。
(2008年4月の記事)
ABEMAで当該回(第76話)を観ましたら、台詞はカットされていませんでした。(20220915)
「うま味調味料」という言葉が何時頃どのように浸透していったのかも興味深い話題。
第30巻(1991年7月1日初版)
■鮭勝負!!
「平安時代の昔から、鮭は生食するものではないと言い伝えられてきている」
( ビョーン・エイリク・オルセン BjörnEirikOlsen
「1995 年にはじめてプラスチック容器に入ったノルウェーサーモンのにぎりを東京で
見たときに私たちはやっとマーケットの変化を感じました。」
(サーモン寿司30周年に際してのご挨拶)
)
【その他】
・東西新聞が築地に「東西新聞築地寮」という施設を持っていること。大企業が接待または身内の宴席のための和風のそのような施設を持っていることがよくあるという覚書。
(その他 本作で取り扱われたもの)
・いちご大福