2023年03月31日

【ドラマ】 舞いあがれ! 2022年



彼女は何故それを成し遂げることができたのか





「おばあちゃん、失敗は悪いことやないんやろ」

「できんなら、できることば探せばよかとぞ」

「翼(よく)が折れても、心は折れへん」

「飛行機は、向かい風を受けて、たかーあく飛ぶんや」

「小さなねじの、大きな夢」


桑原亮子氏のコメント

「自分を犠牲にして他人を幸せにするのではなく、自分のやりたいことを頑張ることで周囲の人まで幸せにしていく、そういうヒロインです。」
「(最終週のサブタイトル『私たちの翼』は)誰もが窮屈に生きていかなくてすむように、自由に生きられる明日が来るように、という想いを込めました。」



主人公側がリストラするとか、
作り手側はものすごく挑戦的なんだけど、

リストラ話、新しいねじへの挑戦などについて、
視聴者の意見がどちらかというとカラいこと、

挑戦的な物語展開に対して
どちらかというとサゲようとする人が多いことが印象的。


( 他人事のように言うことになるが
  世の中は相当に委縮しているような )


少数派の意見になるだろうが、
今のところ、
お兄ちゃんなしで物語を構築したほうがよかったように
感じている。( 20230126 )



理系女子とか女性企業経営者の成長を描く、とか、
朝ドラヒロインにも、
まだまだこれから描くことのできるフロンティアが
たくさんあるのだろうと感じさせられた。
・なぜ、ものを作りたいのか、企業を経営したいのか
・リストラする側、される側の痛み
・企業経営者同士の連帯

( ここまで書いて、
  「カーネーション」の
  というか、そのモデルの人の凄さに思い至る・笑 )


ビジネスを描くとしても、特別なことではなく、

ホワイトボードに書くエクスクラメーションマークひとつで、
描くことができることがあることも
本作で教えてもらった。(第74回)


ーーーー

エピソードや登場人物の行動・発言が自然と積み重ねられていく脚本だった。

・試作品ランプのデザイン(灯台・飛行機)

脚本家複数体制の批判があるが、
最終回のまとまりを見れば、
プロデューサー的にもディレクター的にも
文句言われる筋合いはないように思われる。

( 一点、〇〇公園については、

  ちりとてちんの草若邸や
  カムカムのあかね通り商店街に比べると

  岩倉家と梅津家の前の道で、わずかに感じる不自然さも含めて、

  ちむどんどんの黄色い公衆電話とベンチがある住所不明の不思議な街角を
  思い出し、

  子供の頃から、舞、悠人、貴司、久留美たちの場面に使うなど、

  セットの設計はもっと工夫の余地もあるように思う。

  (作り手のことなど何も知らない者の勝手な感想ですが、
   朝ドラではしっかり全体構想が固まっているうえでの、
   それに基づいたセット設計が重要なのだと
   毎日観るからこそ感じてしまう〇〇公園の不自然さで気づかされました。

   逆に長い物語の積み重ねの舞台になっていると、
   草若邸やあかね通り商店街のように
   印象深いセットになるのだなと思いました。)


主人公の性格や行動に対する批判も目にするが、

この物語展開で、
福原遥氏以外の俳優さんが演じると、
主人公の印象はもっと違うものになると思う。

だから、
女優の選択も絶妙だったのだと思う。





2022年下期の朝ドラ(Wikipedia

第8回

アイドル時代でも見たことない永作博美の聖子ちゃんカット

第7回で船の名前(めぐみ丸)を見せておいたり、
凧の作業中、14時までにはまだ間があることを示す11時5分の時計のカットをいれたり、
走っておばあちゃんを追い越したり(第9回)、
18回で居酒屋の空さんを映し、種明かしは19回にするなど、
脚本・演出の特徴を感じました。( 脚本 桑原亮子 演出 野田雄介


第11回



( 国友一貫斎飛行機 オープニングの飛行機に形が似ている? )


第12回



なるほど、と思いました。


第14回



子どもたちにの飛行機づくり
大人たちの螺子づくり、
秋のあじさいにかたつむり・笑
短い15分に
多くの登場人物ひとりひとりをきちんと描きながら物語が進む。
町工場の社長さんたち(曽根さん、古田のおっちゃん)も魅力的に描かれて。
(曽根さんが大声出したときに、
「ええ声出たなあ」ととりなした人は長井清二(や乃えいじ)さんいうらしい。
第2回で「犬の鼻の穴、ホールインワン」と言うた人・笑
ゴルフスイングした人は根矢さん)

( 「明日から、普通の女の子に戻ります」(第81回) )

(久留美ちゃんのお父さんも登場したけど顔は映らんかった・笑)

そのなかで、
悠人が一切登場しなかったのも意図的なことだろう。

(私自身は、小学生の頃、自分のお小遣いでは、
 飛行機の材料にちょっと手がでなかったという、
 せつないことまで思い出してしまった・笑
 バルサ材やゴムが結構高価だった記憶。)


第17回

(本気の飛行機設計やトレーニングなど)
1年間分の時間もお金もかけて、
書類審査で出場できないこともあるとは、
個人的には想像していなかった
( ドラマで、主人公が3回生のときに
 予選敗退とかでなく
 理由が示されない書類落選でそうなったら、
「お話にならない」)
当事者にとって恐ろしい事態であり、
本物のイベント・番組では表にでない、
「ぶっこまれた」シチュエーションだと感じた。




スローガンを考える浩太。
このときは
ちょっとしたなんでもない話だと思ったのですが。
(意図的に丁寧に入れ込んだエピソードのようです)


第19回

( バートルータン飛行機 ルータン バリ・イージー Rutan VariEze )

( アメリア・イヤハート アメリア・イアハート )


第27回



第29回

(放送前にツイートされたもの)



第33回

美しい灯台のシーン

灯台を照らす夕焼け、
灯台に傍らに佇む人影、灯台に向かって階段を上る人影。

( ドローンのシーン、
  3人の会話、
  1日で撮影できたのだろうか )

( あの五島・大瀬崎灯台に行き、
  一晩過ごして自分を見つめ直そうとする人がたくさんあらわれることを
  危惧します・笑 )

( 福原遥と山下美月が幼馴染で、
  失踪したら、探しにきてくれて、
  慰めてくれて、
  自作の短歌を披露したら、褒めてくれる・笑
  −僻みですけど・笑 )

星たちの 光あつめて
見えてきたこの道をいく
明日の僕は


  
第45回

この週は、4K・8Kの放送時代に珍しい、
岩倉学生の化粧の薄さが印象に残りました。


第48回

バードマン時代は、
大学のサークル活動だけを描写して、
その純粋さが感動を生む要素でもありましたが、

航空学校では、
既婚者も社会人経験者もいるのに、
全員高校卒業後すぐの19歳みたいな
行動、発言なのが
物足りないところです。


第51回

( 吉川晃司がかっこよく、シンバルキックをする回・嘘
  「岩倉、右のシンバルをよく見ろ」

  第116回の空飛ぶ〇〇!は、
  東京都吉川晃司さんの「舞いあがれ!鬼教官」 )

Twitterでの感想のなかで共感したのは、

ドラマ展開に魅了されれば、

「タンゴチャーリー(01TC)」という言葉すら愛おしくなるという話・笑。


( 2022年12月14日(水)第53回のあとの、
  朝ドラ受けはなかったが、
  テロップで
  「飛べ!タンゴ チャーリー」と出て、
  まあまあ感動した・笑 )


第65回

「おにいちゃんの言うとおり、機械売ろ」

「会社が潰れないように、リストラしよ」

「パイロットになったほうが実家にお金を入れられるのに」

が大多数のタイムライン・笑。

ドラマ内容よりも、

そういう世間の世知辛い感じが

書き残しておきたい印象深いことでした。

( 73回までのところ、
  舞を世間知らずの無謀な娘ととらえ、
  大学サークルのパイロットならともかく、
  会社の経営という場では彼女の選択を支持せず、
  悠人を現実的かつ確りした大人とする、
  解釈が多いことを
  そういう御時世なんだなと記録しておきたい
  そういう感想を持つ人たちが
  今、東京物語を観て、
  どんな感想を持つのか大変興味深い。
  東京物語の長男・長女の態度はしょうがないよね、
  と感じる方が多数派なのだろうか。
  一方、
  生活がかかってるから不安で不安定な気持ちの
  社員たちが経営者側の人にとる冷たい態度などは、
  演技演出にもう少し
  深味を望む気持ちもある。 )


第67回

私は、主役の運命の急転のために脇役を急死させるという物語展開に
抵抗を感じることをおもいだした・笑( 続夢千代日記

例えば、
舞の物語とは関係ないかもしれないが、
章さんが生涯負うことになるかもしれない心の傷など、
現実なら大変なトラウマになりうる出来事が気になる。




・私はまず、台所でパソコンでメールチェックしながら、
 父親の会社をたたむ話をしてるわ、と感じ、
 次に、
 当時は、ネットにつなぐには電話回線経由(ADSLとか)がほとんどで、
 岩倉家ではリビングじゃないとできないのだろうと考えた。
 だから、彼はたんたんと昼間できなかったメールチェックを
 しているだけのように思える。
 今と違って、長らく使っていない自室でできる仕事はない。
 ( おそらく、めぐみは会社の負債の連帯保証人ではないか、
   今は、子どもふたりが、
   理屈抜きで母親を援けることに全力な表現でもおかしくないと
   私は思う。 )
 私は、悠人の描写がなかなか腹に落ちない。


第68回

章さんは、同僚の目などのことを想像し、
(用事などの都合ではなく)
葬儀に行くことができなかったのかもしれない。

経営危機にある中小企業の柱の社長が急死することは、
その妻、子息だけの問題でなく、
とてつもなく、
えぐい出来事だと思う。


第72回

朝ドラの物語内容から、

現実の企業評価のようにIWAKURAの経営内容を語ったり、

新人営業の活動とか
新入社員の教育とか、

現実の企業運営を語っても意味がないと

Twitterの呟きをみていて考えた。


第73回



(「君が行く」の歌が、
俵万智ですら、すぐには気づかない、本歌取りの伏線であったとは)


第74回



第75回

お話が感動を呼ぶ内容だったら、
「設計することを何も考えずに飛び込み営業しとったんかい」
というような声が出ないのが印象的。

( 何年間も母の電話に出なかった息子が
  なぜ今回電話をとるのか、
  と思ったが、
  自分が会社売却を提案して、
  回答を待っているからだった・笑 )

( IWAKURAは、
  東大に入って、ファンドマネージャー?になり、
  まだ20代?ながら給料とりならとても無理な数千万?の資金を投入できる、
  ドラマの登場人物としてはちょっと都合のよすぎる、
  長男の支援でなんとかなった。
  つまり、IWAKURAの負債を返済できるだけの資産を
  岩倉家全体ではもともと保有していたということ。
  日本の中小企業は、300万社以上、東大阪には5千くらい?
  そんなことがおこりうる
  中小企業はどれくらいあるか。
  逆に言えば、
  普通ならなんともならなかったというお話に
  私には思えた。
  東大阪の中小企業オーナー同士の
  助け合いも見てみたいところ、
  まだ物語は途中なので、今後はわからないが、
  日本の中小企業を描くドラマとしては
  物足りなさを覚えた。 )


第80回

舞と山田が同じテーブルでお昼ご飯!・笑

まもなく再び失職することを口に出さない小森さん。

 

・「自分が小森さんならリストラでプライドを傷つけれられたのだから、IWAKURAには戻らない」という意見を多く見たのが印象的。

・最後のシーン、なぜわざわざロケでやるのか不思議に思いましたが、
 この最後のカットは
 飛行機の離陸シーンに対応させているという意見になるほどと思いました。

冒頭の小森さん視点のカメラワークも含めて、
それほど効果的とは感じませんでしたが、
それでも、
そういう前向きチャレンジをどんどんやっていただければと思います。

( この週の演出クレジットは 野田雄介 )




タイムズ大阪城京橋口
タイムズ片町1丁目第4
リバーカントリーガーデン京橋
土佐堀通を京橋へ


第83回



なるほどと思うと同時に、
だからこそ、
哀しみを感じる場面になっているのだなと思いました。
だから、本回は、
よく見る状況でありながら、
うまく作られたエピソードだと思いました。




第95回

朝ドラらしいきめ細やかな描写を堪能できた回でした。

・短歌の本歌取りを用いた伏線回収の脚本は、
 誰にでも書けるものではない朝ドラの歴史に残るものだろうし、
 それを語るために、秋月史子、リュー北條(どんな名前!・笑)という、
 登場人物を配置した物語展開が素晴らしい。

・端役のふたりの会話が重要人物の心のうちを観る人に明らかにする
 この対話までに、
 秋月、北條それぞれの人となりの描写も積み上げられているからこそ
 伝わるものがある  


君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも
狭野茅上娘子・さののちがみのおとめ・狭野弟上娘子

君が行く 新たな道を 照らすよう 千億の星に 頼んでおいた


( 話がそれるが、
  どのようにして、どんな経緯で狭野茅上娘子の歌が
  万葉集に収録されるのか、思いを馳せ、
  自分の思ったことをブログに書くことを考える。
  また、
  配流された人とその妻のやりとりがどのように
  他の人に伝わるのか、
  配流された人は赦免されたらしいのに、
  その妻の気持ちを歌うものは
  なぜ残されないのか )


第96回

生放送直前のスタジオでみんなといっしょに
自分のハグシーンを観るなど、
インティマシーコーディネーターの意見は聞かなくていいのか・笑

ヒロインと相手役よりも、
リュー北條と秋月史子に感情移入している人もいて、
それが朝ドラらしいと感じた。

下世話で俗物にみえた編集者は、実は内面は熱い不器用な男だったとか。





こむというもこぬときあるを
こじというをこむとはまたじ
こじというものを

来こむと言ふも来ぬ時あるを来じと言ふを来むとは待たじ来じと言ふものを
(巻四・五二七・大伴坂上郎女

第111回



御園の「ええ声出たな」という言い回しについて脚本担当(佃良太氏)を批判した呟きを見ましたが、
14話の脚本担当は桑原亮子氏です。

ストーリーについては、
普段アクセサリーをつけない人の指輪のサイズを
どうやって知るのか、と思ったし、
それをなんとか調べようとするような
よくあるシーンももともと好きなんですが、

あんまりそんなことばっかり考えず楽しめばいいよな、
と思い返しました。


第116回

ベッドに座っても、左足が浮いているばんば。

( 阿鼻機流大鳥秘術 あびきるおおとりひじゅつ )


第125回



第126回(最終回)



・真上からのかささぎにスワン号を思い出す



・灯台のそばを飛ぶかささぎに似た描写がオープニングにある




・ノーサイドに集まる多すぎる登場人物全員の衣装・小道具を用意するのは、
 大変かつ素晴らしいお仕事だと思います。
 水島元学生の中の人「指輪をするのか、今は、結婚してるんだな」
 柏木元学生の中の人「俺はまだ結婚していないのか...(いや、離婚したのか?)」

( この写真に不快を表明したいた方もいたことを覚書

  また主人公の父親の夢に継ぐという選択に疑問を述べた人もいた。 )













・諸々の呟き





・最終回まで、高畑淳子さんの演技は凄かった。



・子供の頃、かんころもちは好きなおやつだった。
 最近は、みかけても手が出ないでいた。











女性がパイロットを志すお話に、
昔、新聞で観た記事のことを思い出しました。

ヒッチハイク受験

 http://inatt.tokyo/article/398822361.html




posted by inatt at 09:37| Comment(0) | ・感想など・TVドラマ・NHK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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