2021年03月01日

【映画】 シン・ゴジラ 2016年



20210301追記

個人的には、
これから、国難という言葉が使われるようなことがおきる都度、
( 地震、疫病、戦争...)
この映画のことをふりかえることになるような気がしています。

時が長く経つと、
この映画を観ても、
「ただの絵空事の怪獣映画じゃん」
と思えるようになるのだろうか。








20160820記
 
映画館でシン・ゴジラを観て、
初めての感覚を得ました。

作り手たちは、2011年の震災の出来事をふまえて、
この映画を作っているし、
観る私も、震災の経験を経たからこその何かを
この映画から感じている、
という確かな感覚です。

明治維新のお話しも、
日露戦争や太平洋戦争の物語も、
自分にとっては、
歴史上の事実でしかなく、

(1954年の)ゴジラは、何々を表したものだ、
と言われても、
そうだとしても、
それはリクツでのこと、
と思っていました。

子供のころから、
ゴジラやウルトラマンや仮面ライダーを
楽しんできたけれど、
ウルトラマンは何々のシンボル、
とか思ったことがないし、
意味のないことだと今でも思います。

でも、この映画は、
今の日本や、
これまでの私が生きて見てきたことの、
何かを表している、と感じました。

10年前に、
固まったゴジラが屹立する東京丸の内街の絵面をみても、
何も感じとることはなかったと思う。

でも、今は、
毎日働いている街にゴジラが立っている映像が、
現実に無意識下に感じていることに繋がっている何かを
思い出させる。

( それは、物語の中の人たちでなく、
  この物語を観ている私たちに向けてのもの。
  この物語のなかでは、しばらくのあいだ、
  千代田区や港区は人の住めない街になった。
  おそらくは皇居も。
  現実の世界でそれが起こったら、
  また別の想いも現れるだろう。 )

映画のなかに、
同時代の人だから感じ取れるものが
含まれることがあるのだと身をもって体験しました。

例えば、
1967年の映画、日本のいちばん長い日には、
私には判らないが、
1945年8月15日を経験した人に感じ取れるものが
含まれているかもしれず、
2015年の映画、日本のいちばん長い日には、
もうそのような成分はない、
というような観点の存在に気づいた体験でした。

( 海外の人が、この映画にどんな感想を持つのかとても興味がある。
  また、日本人でもこの物語を空想ものとしか感じられない人と、
  この物語にあらわれる要素こそが今の現実だと感じる人がいることを
  興味深く感じています。 )  

だからこそではありますが、
この映画の冷静な評価が固まるには、
長い時間がかかるような気がします。

( ゴジラやウルトラマンで育った作り手が製作した、
  怪獣特撮映画としての、単純、冷静な評価。

  丸の内のどのビルが壊されたか、
  というブログを読みました。
    シン・ゴジラと東京駅周辺の質量兵器群
     http://yosha-ki.hateblo.jp/entry/2016/08/19/130640
  この映画にふさわしい論評だと思う。 )

私も、
今はこの映画を何度も繰り返しみたいというよりは、
まずは、いったん、文字で、
映画のなかの台詞を全部確認したいですね・笑。


ーーーーーーーーーーーーーー

20160905追記

2回目をIMAXで観ました。大変楽しめましたが、
この映画は、大画面でなくとも、家の小さなテレビで観ても、
同じく楽しめそうに感じました。

今感じていること。

・女性限定鑑賞会議が大盛況だったこと。
 そういう層が確かにいることを、
 現在のマーケティングを考えるうえでよく覚えておきたい・笑
   http://togetter.com/li/1016036

・この映画がアニメやオールCGで作成されたとしたら、
 片桐はいりのひとことだけの台詞や
 尾頭ヒロミの最後の微笑は、
 あんなに印象深いものになるだろうか、
 一方、
 カヨコ・アン・パタースンは、アニメなら、
 惣流・アスカ・ラングレーのような、
 もっと人気の高い人物になったはず・笑
 つまり、この映画は、
 アニメ的なものと、実写映画的なものとが、
 微妙に混合してできていると感じました。
 この映画が楽しめない人は、その成分のどれかがダメなのでしょう。

・あと、恐ろしい仮定としては、
 首都圏で大規模直下型地震が発生した後、
 この映画を観たときの感想。
 どういう風に感じるのかな。


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2021年02月28日

【映画】 海辺の映画館ーキネマの玉手箱 2020年



“ねぇ、映画で僕らの未来変えて見ようよ――”

−大林宣彦監督人生最後のレトリック





大林宣彦監督は、
この映画に自分を塗り込めて、
自分の想いが永遠に伝えられるようにしたのだ。
まるで、羽臼屋敷のおばちゃまのように。





未来を変えることができるのは、
映画だけということではないはず。

あえて「映画」に拘っているのは、
世の中の行く末だけでなく、
「映画」の未来にも
悲観的な予測を持っていることの裏返し。

また、
自分の「想い」が消えてしまうという恐れを心のうちに持っていたのでは。


私は、
「物語の命は永遠」
だと監督の映画から教わったことを
いつまでも忘れずにいたい。





呟きの記録


















大林宣彦監督作品の感想
 http://inatt.tokyo/article/462052806.html


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2021年02月03日

【映画】 裏窓 Rear Window 1954年 (書きかけ)



20210203記

BSプレミアムで放送されていたので、
久しぶりに観ました。

https://www.imdb.com/title/tt0047396/

私にとって、一番最初のヒッチコックで、
40年近く昔、名画座で観ました。

この作品が、初ヒッチなんて、
素敵な巡り合わせですが、

そのとき、私は、
「すごくよくできた火曜サスペンス劇場みたいだ」
という感想を持ったのをよく覚えています。

未熟な自分が恥ずかしい、ヒッチコックに謝れ・笑

・説明台詞など一切ない、映像で語る
・登場した瞬間に素晴らしいグレースケリー
  美しく、賢く、健気で、勇敢。(煙草も嗜む)
・若いセレブの無邪気な行いに、ふっと笑う大人なジェフ
・"Perfect"と言われて、哀しい表情になるリザ





今回観ていて、
三谷幸喜がリメイクして、
登場人物が三谷作品常連俳優たちだったら、
とても面白そうだと思いました。

その物語では、
緊急事態宣言で、
皆、ステイホームしてるんだな・笑

ヒッチコックに謝れ・再

しかし、懲りずに、
どんどん書き込んでいく欄をつくろうと思ったのが、
このエントリーの目的です・笑

James Stewart(役所広司、中井貴一、大泉洋)L.B. 'Jeff' Jefferies
Grace Kelly(鈴木京香、綾瀬はるか)Lisa Carol Fremont
Wendell Corey(佐藤浩市、山本耕史)Det. Lt. Thomas J. Doyle(警部補)
Thelma Ritter(戸田恵子、長野里美)Stella(家政婦)
Raymond Burr(小日向文世、相島一之)Lars Thorwald(貴金属のセールスマン)
Judith Evelyn(堀内敬子) Miss Lonelyhearts
Ross Bagdasarian(小林隆、伊藤俊人)Songwriter(作曲家)
Georgine Darcy(小池栄子、宮澤エマ)Miss Torso(ダンサー)
Sara Berner(峯村リエ)Woman on Fire Escape
Frank Cady(浅野和之)Man on Fire Escape
Jesslyn Fax( ) Miss Hearing Aid
Rand Harper(香取慎吾)Newlywed
Irene Winston(竹内結子、八木亜希子)Mrs. Emma Thorwald
Havis Davenport( )Newlywed
Alfred Hitchcock(三谷幸喜)Songwriter's Clock-Winder (uncredited)














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2020年12月09日

【映画】 転校生 1982年



大林宣彦監督作品

■鉄橋を渡る小林聡美
 
夏、というと、
この映画の映像を思い浮かべることがあります。
( 正確には、6/10から1ヶ月余りのようなのですが。 )

ラストシーンはもちろんですが、

忘れられないのが、

自転車を漕いで鉄橋を渡る小林聡美。

なんであんなに躍動的に見えるのだろう。

20201014・尾道・鉄橋・4MP・IMG_2239.jpg
(20201014撮影)

この映画は、

一美になった一夫や
一夫になった一美の話というよりは、

斉藤一美と、
斉藤一夫が乗り移った一美と、
一夫に乗り移るという経験をした後、元に戻った一美を、

一所懸命、活き活きと演じる小林聡美のひと夏の映画なのかもしれません。

「血が通った」芝居とか言いますけど、
血が通った「小林聡美」を写し取ったので、
鉄橋を渡る躍動感が生まれたのでしょうか。

そんな彼女を自らの分身である一夫が8ミリに撮り、
一夫ごと、まるごと映画の中に閉じ込めて、
少年大林が呟く、「さよなら、おれ。」


■自由で幸福な映画作り

wikipediaの、

『大林千茱萸は、つまり完全に「プロの映画屋による自主映画」と述べている。「金銭面での苦労はあったが心に不自由なことは何ひとつなかった。むしろ自由で幸福な映画作りは永遠にフィルムに焼き付いていると信じられるし、その幸福感が観る者の心にも触れるのだろうと思う」と話している。』

という言葉がこの映画をよく説明していると思います。


今は気になる画や音のノイズを最新の技術でとりのぞくことも可能でしょうが、
そういうことをすると何か大事なものも無くなってしまうのでしょうね。


■同じ映画を今日観るのと明日見るのとでは、見え方が変わってくる

この映画を
10代、20代、30代、40代と繰り返し観て、
感じることが少しずつ変わっていったことを実感しました。

それは映画が変わったのではなく、
自分が人生を経て変わっていっているということ。

その内容を人に上手に説明することは自分にはできないけれど、
とりみきの「もうひとつの転校生」を読んだり、
2007年版「長野転校生」を観たりすると、

自分以外も、
これを作った監督本人でさえ、
それぞれに、
同じことを体験しているのではないかと思いました。


「映画は同じ作品を何度も繰り返して見てほしいと思う。というのも、同じ映画を今日観るのと明日見るのとでは、見え方が変わってくるからだ。」
「キネマの玉手箱」(p173)


■さよなら、オレ

この映画を観る度に、
「さよなら、オレ」という台詞の意味について、考えるのですが、


原作の「おれがあいつであいつがおれで(山中恒)」の
旺文社文庫の大林監督の解説文に、
とても直截的に分かりやすく説明されていました。

すると今度は、
リメイク作品に、「さよなら あなた」と題名をつけたことが、
今更に、気になってきました・笑

(初稿20060808)




大林宣彦監督作品の感想
 http://inatt.tokyo/article/462052806.html





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2020年11月01日

【映画】 転校生-さよなら あなた- 2007年


 
人は 誰も、――
生きて その物語を残す。

人の命には 限りがあるが、
物語の命は永遠だろう。

未来の子供たちよ、――
今も元気で暮らしていますか?……


この映画の最後に示された言葉は、
大林宣彦監督が、
ハウスやさびしんぼうのラストで語ったことと
同じことをを示しているが、
ひとつ違うのは、
監督自身が未来へ語りかける形となっていること。





【映画】 ハウス HOUSE 1977年

http://inatt.seesaa.net/article/398821810.html

たとえ肉体が滅んでも、
人はいつまでも誰かの心の中に
その人への想いとともに生き続けている。

だから、
愛の物語が
いつまでも語り継がれていかなければならない。
愛する人の命を永久に生きながらえさせるために。

永久の命、
失われることのない人の想い、
たったひとつの約束、
それが愛。


ーーーーー


【映画】 さびしんぼう 1985年

http://inatt.seesaa.net/article/398821762.html

親愛なるフレデリックショパンさんよ、
あなたがあの痛ましくも輝かしい19世紀の青春に、
命を賭けて燃やした情熱の炎は、
その肉体が滅んでしまった遠い今となってもなおさらに、
僕らの感情を激しくゆさぶらないではいない

思えばこれこそが、
あなたが永遠に願った、
真実の恋の勝利というものではなかっただろうか。

さびしんぼうよ、いつまでも。
おおい、さびしんぼう。


ーーーーーーーーーーーー

「人は死んでしまうが、死なない人もいるのだ。」

http://inatt.seesaa.net/article/398821971.html

ーーーーーーーーーーーー

「稲尾君は逝ってしまったが、私の暮らしのなかでは登板し続けている」

http://inatt.seesaa.net/article/398822156.html





さらに、

この映画では、今までと違う視点も加わってきていると思う。
 

一夫は「さよなら、お前」と言ったが、それは、
前作の似た台詞と同じなのか違うのか。

そして、
「さよなら あなた」とは、誰が誰に語っているのか。 



「さよならあなた
 もう会えないから
 今日から隣で
 思い出したら微笑んで

 私の隣で微笑んで」 (「さよならの歌」寺尾紗穂)


・「さよならの歌」の歌詞は、

 この世に残った人からこの世を去った人への言葉だと思うが、
 本作の最後では一美が私たちに向かって歌う。

 この世の人とこの世を去った人の視点がいったりきたり混じりあったり、

 大林映画らしい、混沌とした語り口。


・この作品は、この世を去った人からの視点がこれまでより強調されているところが、

 これまでと違ってきているように思う。

 その意味で、本作は、単なるリメイクではなく、

 同じ筋立てで、別のことを示そうとした別作品としてもいいくらいに

 思うようになった。







大林宣彦監督転校生の感想

http://inatt.seesaa.net/article/398821627.html
  
  
  
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2020年08月10日

【映画】花筐/HANAGATAMI 2017年



・大林宣彦監督作品

・忘れないように、最初に書いておくこと

 主人公は17歳・笑。

・昔を懐かしむ話ではない

 「取り返しのつかぬ思いに、胸が、張り裂ける」
 なぜか。
 「お飛び、お飛び、さあ僕よ、飛べるか、否か、さあ、お飛び、お飛び」
 「さあ、君は飛べるか、僕は...」

・千人針をぬい続けたあきねの行方を語らない。
 
「戦争中の日本庶民の暮らしは戦争の記憶とともに遠く忘れ去られた」
 そこが「この世界の片隅に」などとの立ち位置の違い。

・美那の手紙は誰へ向けたものか





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2020年07月22日

【映画】 雨に唄えば 1952年




この映画が好きになって、
内容に詳しくなっていった後で、
この映画で使われていて好きになった曲を
調べたり、音源を探したりしながら、
この作品は、
50年代に、
懐かしい30年代を描いているということを理解したけど、

30年代も50年代も
自分の知らない時代のことで、
その方向性の雰囲気は、
今の私には感じ取ることができない。

ただ、
そんなこと関係なしにいつ観ても面白い。


https://www.imdb.com/title/tt0045152/



この映画の中でいつまでも、
ジーンケリー(Gene Kelly)
ドナルドオコーナー(Donald O'Connor)
デビーレイノルズ(Debbie Reynolds)等の
歌やダンスが輝いている。

”Make ‘em Laugh”は、
私にとって、
ミュージカル映画で最も笑い、最も感動したシーンだ。
思いっきり笑ったのに、
凄すぎてなぜか同時に胸の奥が熱くなってくるような経験をした。

この映画制作時のいろんなエピソードを目にするけれども、
楽しかったとか、ほのぼのしたお話が全然ない・笑

誇張でなく、全身全霊をこめて創られるエンターテインメントが、
何十年ものあいだ、何億もの人を楽しませた。



デビーレイノルズは、
ミュージカル映画史上屈指の名シーンGood Morningの撮影が、
人生で一番つらかったことのひとつと述懐したらしい。

Make 'Em Laughの迫力も、
ジーンケリーのパワハラを
オコーナーが燃料にしたのかもしれない・笑





そして、これを観る。
デビーレイノルズは、
楽しんでいるのか、心の中で辛いのか、
でも、
スクリーンの中ではやはり輝いている、
と私は思う。

I Love Melvin (1953)
https://www.imdb.com/title/tt0045899/





1980年代の半ばに、
ジーンケリーや
ヒッチコックの
リバイバル上映があって、
その時に映画館での映画鑑賞の愉しさを覚えた。
いつかその頃のことも記録しておきたい。

生まれて初めて池袋に行ったのは、
文芸座に行くためで、
そこで雨に唄えばの
サウンドトラックレコードを
みつけて買ってとても嬉しかった。

Overture - Singing in the Rain - The MGM Studio Orchestra
[iTunes]Overture - Singing in the Rain - The MGM Studio Orchestra

デビーレイノルズが歌う雨に唄えばの曲名は、"Singin' in the Rain (In a-Flat)"


posted by inatt at 14:24| Comment(0) | 感想など・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月21日

【映画】 さびしんぼう 1985年







この映画で語りたいことのひとつはラストシーンです。

どんなシーンかという説明を端折って、
最後のモノローグを全部引用させてください。

「さて、そして時がたち、いつか僕は大人である。

 親父殿にそっくりの、
 何を考えているのかわからない無表情さも身についた。
 毎日お経を読んで過ごす僕の傍らには、
 なぜだか百合子さんにそっくりのひとりの女性が、
 もうひとつの横顔を見せて座っている。
 そんな日があるとすれば、
 そこには必ずや、あの甘美な別れの曲のメロディが
 今もまた流れているに違いない。

 そんな光景を皆さんはなんとお考えになるだろうか。

 親愛なるフレデリックショパンさんよ、
 あなたがあの痛ましくも輝かしい19世紀の青春に、
 命を賭けて燃やした情熱の炎は、
 その肉体が滅んでしまった遠い今となってもなおさらに、
 僕らの感情を激しくゆさぶらないではいない

 思えばこれこそが、
 あなたが永遠に願った、
 真実の恋の勝利というものではなかっただろうか。

 さびしんぼうよ、いつまでも。
 おおい、さびしんぼう。」



「そんな光景」を自分はなんと考えるのか。
「思えばこれこそが」の「これ」とは何なのか。

観るたびにそんなことなどに思いを馳せます。




20070101記

DVDでエンディングロールを変更していると聞いたので、
興味が涌き、観なおしました。
(オリジナルも観ることができます。)

要は、エンディングロールの富田靖子の唄を止めているわけですが、
両方観た感想は、
どちらでも気にはなりませんでした。

私がこの映画を公開時に観たときも、
「時をかける少女」を観た後ですから、
富田靖子が歌いだしても驚きはしませんでした。

なぜ富田靖子の歌をはずすのか、

あえて理由を探すと、
1.いかにもの80年代アレンジが気にいらない
2.別れの曲につけた詞が本編と関係ないので気にいらない
3.最後に富田靖子が「さびしんぼう」と連呼するのが嫌。

ということでしょうか。
でも、そうなら、ホントは、
大林監督は、時をかける少女のエンディングロールも
変えたいと思っているのかな、ということが知りたい。

または、とりわけ、さびしんぼうに思いいれがあって、
多かれ少なかれビジネス上の柵に関係する部分を
排除したかったのでしょうか。

しかし、どんな芸術作品にも、そういう部分があるわけで、
作って公開して、その、あとからあとから、
変えたいところを変えていたらキリがないと思いますけど。
潔くあきらめるのが男らしいような気もしますし、
この作品に大林宣彦監督が特別な想いがあるということかも
しれません。




20200517追記

「今夜、ロマンス劇場で」を観て、
今さらに気づいたのですが、
#さびしんぼう が
白と茶色の服であることには
必然性があるのだと気づきました・笑。

赤や青やピンクを身につけていたらおかしい。




20200620追記

またも、今さらの気づきですが、
冒頭の「別れの曲」が、
プロが上等なピアノで音響の良いところで芸術的に演奏したようなものではないことに
気づいてちょっと感動しました。

BS12トゥエルビで放送されたエンディングは公開時と同じものでした。
Amazon Prime Videoも同じく富田靖子が歌うものでした。
DVDのエンディングは、
DVD制作時に大林宣彦監督が望んでそのようにしたということですね。



 
サウンドトラックは、高額なプレミアムがついていますが、
Amazonでは各曲30秒ほど視聴ができますので、
十分に雰囲気を味わうことができます・笑



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2020年05月21日

【映画】 今夜、ロマンス劇場で 2018年

  
「気安く触るなといったはずだ」



20200516にフジテレビで放映されたものを観ました。
ファンタジーとして、大変楽しめました。

話の内容にいろいろ無理があると感じてしまう人もいるかもしれません、

本当は、すべてが牧野の創造、頭の中の出来事なのかも、

ともふと思いましたが、
そうであっても、だからこそ、ファンタジーは、せつなく、温かい。


いろんな映画のオマージュが含まれている。
・ローマの休日
・蒲田行進曲
・さびしんぼう
・タイタニック
エトセトラ

そういう要素だけでなく、
綾瀬はるかが持つ個性にもとづく演技・演出などにより、
作品独自の魅力を備えることができていると思った。

例えば、
最後の、
相手の頬をつねり、
目を瞑り、
顎を突き出す、
ところ、
アン王女(オードリー・ヘプバーン)とも
ローズ(ケイト・ウィンスレット)とも異なる、
ありきたりでない、愛らしい仕草でした。

( 逆に、牧野の人物造形に、
  ジョー・ブラッドレー( グレゴリー・ペック)や
  ジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)のような魅惑が欠けているような。
  彼が勝手にモテる感じなどが。 )
  






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2020年04月26日

【映画】 時をかける少女 1983年



大林宣彦監督作品。

アイドル映画、プログラムピクチャーの枠を超えて、
多くの人の心に残った、
不思議な少し恐ろしい作品。

( また、ある人たちにとっては、「何これ、学芸会みたい」となる場合も・笑 )

ひとつ書いて置きたいのは、
公開時に、
エンドロールで原田知世が映画の場面から突然唄いだした途端、
場内が大爆笑になったことがあったと聞いたことがあります。
せっかくのラストシーンが台無しだと激怒した人もいたと
聞いたことがあります。

どこでも誰もがそうなった訳ではありませんが、
あまりにも予想外に感じた場合にその反応は分らないでもないです。

この物語は、救いのない収束の仕方をするので、
何よりも原田知世のためのアイドル映画として、
最低限の体裁または救いを求めて、
あのような工夫を凝らしたのでしょうか、
しかしながら、
本編が上質であるだけに、
素直に戸惑った人たちが多かったということです。


NHK少年ドラマシリーズでは、もう少し綺麗な終わり方でした。
たぶん、原作もそうだったと思いますが、
深町の記憶を失った和子が何故だか思い出せない懐かしさを
ラベンダーの匂いに感じるという描写で終わります。
私は、子供の頃、それを観て、
切ない気持ちになったことを今でも覚えています。
ジュブナイルとしてそれで十分、名作になっているのです。
それを、
そういうレベルのせつなさでは終わらせず、
和子、吾郎双方に残酷とも言える初恋を描写したうえで、
同時に、
アイドル主人公に多少拙くともかわいく主題歌を唄わせるところが、
案外恐ろしい、常に表現が過剰になる、
一般には認知されていない、大林監督らしさと言える。

時をかける少女(2010年・谷口正晃監督)のパンフレットで、
大林監督は、

「深町君への想いを胸に秘め、
 ゴロちゃんを忘れて空ろなこの世に彷徨い続ける和子」

「ぼくの映画では、ゴロちゃんがむしろ主人公でもある」

と言っています。





(*)
違う反応も勿論あったという覚書


私自身の話。(新宿ミラノ座と時をかける少女)
http://inatt.tokyo/article/455739288.html

また、私が初めてこの映画を観た後のこと、
( 西武百貨店八尾店の八尾西武ホールで観た。
  名前から想起するものより、
  チープな展示場のような場所、
  でも貴重な鑑賞体験をそこで得た。 )
それから、
このオープニングタイトルの曲が流れるといつも思い出す風景、
私にとって、印象深い思い出になっていて、
いつか書き残したいと思っていますが、
でも、日々記憶が薄らいできています。





20200425追記

2020年4月18日に、大林監督追悼として日本テレビで放映された際、
エンディングスタッフロールがカットされていたそうで、
当然のことながらそれに対する不満・批判が多く呟かれていました。
一方、その編集は大林監督自身であるとの話も目にしました。
作品がテレビ放映される際は、監督自ら再編集すると読んだことがありますので、
さもありなん。
監督は天国でにやにやしているに違いない。


20200804追記



yahooニュース 20200503

 『大林宣彦監督が本誌に明かしていた「15歳の原田知世」』からの引用

 https://news.yahoo.co.jp/articles/e65da57f71f8edac2b582c08ffe5249ac028c910

「映画の最後は、撮影現場で知世が、ミュージックビデオのように主題歌を歌っています。彼女の伸び伸びとした姿も、記録として残しておきたいと思ったんですね。

 僕は映画のなかで、知世を大正ロマンチシズムの世界に閉じ込めてしまっていた。だから、『カット!』のあと、『さぁ、ふだんの、いつもの知世に戻ろう!』と言って、撮っていったんです。

 地上波で最初に放送したとき、時間の関係もあって、この部分をカットしました。 すると、『監督がかわいそうだ』という投書が届いたそうです。いえいえ、僕がカットしましたよ。

 エンドロールの映像は、知世のために作ってあげたシーンで、映画館で観てもらうためのもの。『テレビの前の人に観せるものか!』という思いで切りました(笑)」

 大林監督は、「不思議な至福の映画だった」と振り返った。

(2013年7月29日のインタビュー)




覚書

・「ひとが、現実よりも、〜」と掲げる冒頭、映写機が回るような効果音、
これからあなたが観るものは「映画」ですよ、と。

・物語の最後は、1994年4月16日(土曜日)、
居ない孫のものを平成6年になっても買い続けていたのですね。






20080103追記

youtubeでNHK少年ドラマシリーズでの最後を再見することができました。
便利な世の中になったものです。

( 一時、NHKオンデマンドで一部を観ることができました。(20130323)
  連続ドラマ タイム・トラベラー 筒井康隆「時をかける少女」より 最終回「タイム・エネルギーの謎」 )

https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC

しかし、他にも経験がありますが、
子供の頃感動したものを今の自分の目で見て、
さほどのものとは感じないということを確認する、
という作業になってしまうことが往々にしてあります。  

昔の認識、
昔の認識の記憶、
今現在確認ができる認識、
いったいどれが正しいものなのでしょうか。

( この映画のテーマのひとつと同じ感慨を持ちます )


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アニメ版 2006年の感想はこちら
 http://inatt.seesaa.net/article/398821963.html
2010年版の感想はこちら 
 http://inatt.seesaa.net/article/398822364.html
新宿ミラノ座の閉鎖(2014) 荒野の七人と時をかける少女
 http://inatt.seesaa.net/article/455739288.html




( 20060810初稿 )
posted by inatt at 07:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想など・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする