2024年10月18日

【映画】 ブルース・ブラザース The Blues Brothers 1980年



wiki

Minnie the Moocher / ミニー・ザ・ムーチャー(キャブ・キャロウェイ

Minnie the Moocher (film) ベティ・ブープ-ベティの家出(1932)








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2024年08月24日

【映画】 ラストマイル 2024年 (書きかけ)



What do you want?
ブルーパスをもらって働く私たちはどうすればいい?


( ホワイトパスがブルーパスと交流するシーンはない )
( 松本里帆(安藤玉恵)がブルーパスでシングルマザーをしている設定だったら、
  物語の終りに感じるものが変わる? )
( 作業場を見下ろす彼ら自身が殿上(天井)人 )
( では作業場は地獄で、ホワイトバスは天上で、
  天上から地獄へ堕ちる例えは? )
( 劇場販売ノベルティにホワイトパスはあるがブルーパスはない )





公開初日に観ることができました。 ( wiki )


最後のカタルシスが素晴らしい映画でした。


外資企業が悪者とか、ヒノマルの説明とかにステレオタイプを感じるし、

( ディーン・フジオカのキャスティングなどに )

( 羊急便やその下請け業者はよかったが、

  物流センターの派遣社員の時給は下がったのでは・笑)

説明不足や尺不足も感じたので、

TBS日曜劇場で1クール連続ドラマにしたら、

松本里帆(安藤玉恵)の家庭の日常描写やサスペンスシーンの尺を増やせるし、

素晴らしい連ドラになるのではと思いましたが、

本当のところは、

連ドラで企画したけど、

スポンサーのこと考えたら、民放では無理なので、

映画にしたのでは、と勝手な妄想をしてました。

( 実際は違うようです・パンフレットより )


エンドクレジットで、

アンナチュラルで一番好きな登場人物が出ていることに気づき、

そこでそれに気付かなかったことに動揺したのか、

Twitterで、エンドクレジットの最後がよかったという感想に驚き、

もう一度観なければならないようです。





主人公は、タクシーで乗り付け、ずっと配送センターにいて、
終盤に配送センターを出て、動き回る。


主人公が自分が派遣された背景を元から知っていて、
背景の真実を知り、行動が変わる筋書きのほうがよいような、
でもたぶん尺が足りない・笑





20240822、金曜日の公開初日、

歌舞伎町の映画館に出かけ、21時過ぎの回で観ようと思ったら、

ひとつ前の回で火事騒ぎがあったそうで、

上映が遅れているとのこと。

大混雑の入場ゲート付近を横目にポップコーンを買う列に並んでいると、

30分余り遅れで、入場開始。

拍手が起きました・笑

という覚書。

上映終了後、上映遅れによる、特別ご入場券をいただきました。






20240830・金曜日の夜に、特別ご入場券を使わせていただき、2回目を観に行きました。

バイク便のシーンを一所懸命に観た・笑

やはり最後のサスペンスとカタルシスは素晴らしく、

2時間の娯楽である映画のしめくくりとして文句ない。


エンドクレジットの最後のクレジットは、
特別なものではなかった。

逆に、そう書かないといけない筋書きにしなければいい、

と元から思っている。




・ラストマイルにいる、

 シングルマザー家庭のいたいけな子供たちが、

 母の誕生日の贈り物を得ようと考える。

 What do you want?

 そのことを実現するために存在する、

 DAILY FAST、(その標語)、

 ブルーパス、ホワイトパス、

 物流会社、下請配送。

 ラスト一種爽快なカタルシスの背景に並べられた、

 それらの事柄に、

 いろいろと考えさせられる構造を

 脚本家が配置しているのであろうと想像する。


 エンターテインメントと社会に対する問題提起を両立させている、

 このドラマシリーズの特徴といえる。


アンナチュラルの感想
 http://inatt.tokyo/article/458024514.html

MIU404の感想
 http://inatt.tokyo/article/476851598.html





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2023年07月15日

【映画】 君たちはどう生きるか 2023年









ドキュメンタリーでは、
「俺はこう生きた」と言う作品に
参加した、
巻き込まれた、
見守った、
人たちの物語を垣間見ることができるだろうから。

また、
そうはいっても、
私はアニメ作品の質を語る目を持たないものですが、
画面の広さ、奥行き、精細さなどの観点で、
もののけ姫の頃と比べて、
どう変わったのか、
進歩したのか、
という論点にも気づきます。


( 今はもうなくなってしまった、ジブリのアニメ制作集団、

  大袈裟ですが、

  運慶の率いる仏師集団とか、

  素晴らしい制作者集団があとになってそうだったとわかるように、

  短い間、存在していたと

  振りかえることになるものなのかも。 )
  









鈴木敏夫の業績

嫌な事を思いついた。

宣伝をしなかったという本作、

宣伝する作品としない作品、
その差分が
プロデューサーの仕事の貢献の量を示すことになる。

鈴木敏夫は今回、それを知りたかったのではないかと。


( 単に、公開時期を決めない制作だと、

  宣伝体制など組めない、

  ということかととも、思いました。

  また、日本テレビに、鈴木・宮崎のジブリの持株を差し出す、

  という約束があっての、制作費用調達だったのかも、

  という下種な想像も。 20231217追記 )





20231216 プロフェッショナル 仕事の流儀 ジブリと宮ア駿の2399日

15年?以上密着し、
ついに、
ドキュメンタリーの素材として、巨匠を取り込み?、
「作品」に仕上げるまでに至った、
ディレクターに思いを馳せた。

「作品」だと思ったのは、
高畑氏に関する描写は、
真実や、宮崎氏の心の中、とは別に、
ひとつの「ドキュメンタリー作品」の、描写・主張になっていると
感じたからです。

( これまでの宮崎駿密着は、解釈を観る人にゆだねるかたちだった )

( わかりやすく説明すると、
  気が遠くなる時間密着し、認められ、
  鈴木敏夫の写真に、
  「鈴木敏夫」「サギ男」と字幕をつけられるようになる・笑 )






ジブリの宮崎駿の机のあるところは、
煙草吸いながら仕事できるみたいだな。
本田雄氏も吸うみたいだな。
というところだったが、2020年以降もそうかは知らない。





20240330追記

プロフェッショナル特別編 宮崎駿と青サギと・・・「君たちはどう生きるか」への道
を観た。

「キリコはやっぱり保田さんですよね」



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2023年02月21日

【映画】 波の数だけ抱きしめて 1991年



大事な話があるんだ

(将来の不透明に思い至らないなかでの優柔不断なセンチメンタリズム)








今まで観たことがなくて、
BS松竹東急で放送されているものを観ました。( wiki )

1991年11月に1982年(昭和57年)の初夏を振り返るお話

1991年(平成3年)には楽しい時代は実は終わっていて、

輝いていたときを後ろ向きに見ていたということかも、

というのは後付けの感想か。


青春を振り返ることと青春の終わり、
作り手たちが制作中に感じていたものがあるのかどうか興味深い


私自身は平成3年の頃、
ピークを過ぎたような後ろ向きの感覚はなかったと思う。


バブル期のトレンディドラマの男性には優柔不断な性格の特徴がある

という話があるそうだが、

将来の不安定を予測できていないからこその、

現在の優柔不断ということかもしれない。


( 大事な話をする機会はいくらでもあったはずだ、

  と後になれば分る )


そう言われてみれば、当時読んでいたマンガで、

柴門ふみの「同・級・生」(1988年)のお話と似たところがあるように思った。

将来の不安に思い至らないなかでの優柔不断なセンチメンタリズム



・専売公社が民営化されたのは1985年

・車は、シティ、スターレット、ファミリア
 湘南は相模ナンバー

・スライドでプレゼン ( やったことないからどんな準備がいるのかわからない )

・原付バイクはメットなし

・煙草が関係する話なのに、「彼女が水着にきがえたら」と異なり喫煙が目立たないのはなんだか不思議


( トンネル内でラジオ放送が聞こえづらくなるのは何故ですか? )

( 波の数だけ抱きしめて ロケ地 )

( 飯島トンネル )













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2023年02月17日

【映画】 彼女が水着にきがえたら 1989年



どこで何吸おうが俺の勝手だろ
( 織田裕二は2023年になっても禁煙するつもりがない・笑 )





BS松竹東急で放送されていたので、30年以上ぶりに観た。( wiki )

副題は「Urban Marine Resort Story」・笑


私をスキーに連れてって」公開時に何度も映画館に足を運んだ私だったが、

楽しみにしていたこの映画は、面白いと思えず、

次回作(「波の数だけ抱きしめて」)は観なかった。


今観ると、
プログラムピクチャーとしてそんなに駄作とも思わないが、

「あの時代はああいうようなバブルだった」という感想をときどき見るので、

「当時でも、現実味を感じず、結構引いた」

とは書き残しておきたい・笑。

ただ、
『見栄講座 ―ミーハーのための戦略と展開―』 (1983年)
『東京いい店やれる店』 (1994年)
の時代に作られた作品である、ということはいえる。
( 書名と出版年はwikiからの引用 )

バブルとは、金額や見た目だけでなく、

「気分」という側面があると思う。


( ちなみに、
  1994年に「東京いい店やれる店」を読んでいるのは
  ろくでもない人かもしれないが、
  今(2023年)読むと面白い(ところもある)。
  つまり、
  ろくでもない人も何十年かたつと
  少しはまともになることもあるということかもしれない(嘘)。

  「丸ノ内の一流企業に就職したOLが、東急沿線の家賃8万1LDK30uのアパートでひとり暮らしを始めたとしよう。」
  「有楽町西武B館のインテリアのモデル・ルームに足繫く通い、イタリー・モダンの家具を買い入れる。」
  「ソニプラで買った象さんババールのカレンダーを貼ったのでは、プライドが許さない。」

  ( ここでのポイントは、30u1LDKに、
    ぞうさんババールを避け、イタリー・モダンの家具を望む、というところ? )

  「絵画鑑賞の正しいステップ」(ずっと下を向いたままになるのではないか)
  「もう怖くない!アピシウス絵画攻略図。」
(今は「ギャルソンにあの絵は誰の作品ですか、と尋ねて教われば、楽しく会話できそうだな」と理解する。
この本にはグランメゾンという言葉はないが、そういうものを怖いと思っている読者の潜在意識をこの書籍は相手にしている。)






机で喫煙する上司を電話しながら睨む主人公
同僚の机にはディスプレイ型ワープロ
船の名前はAMAZON。( アーサー・ランサム
たぶん、バドワイザーとか「プロダクトプレイスメント」そのものがかっこいいものの範疇。
( おそらく、モノに対する憧れの気持ちがあり、
  素敵なモノの代名詞がブランド名 )
キューバ・リブレ 
女の子は略奪品
「いいだろタバコくらい、新興宗教かお前」
( 逆説的に、煙草会社がスポンサーについていたら、
  案外もう少し洒落た対応になっていたのでは?)
「宅急便で送ります」(おそらく気取って言っている台詞なのでは?)
「強〇してでもあの女からポイント聞きだせよ」
( ランソンのレッドラベル、ブリュット Lanson Red Label Brut )
吉岡は病気と嘘をついて有休をとり、田中は有休を私用でとることに抵抗がある
タクシーの後部座席ではシートベルトはつけない
「その娘には媚薬入りのスープを飲ませてある」
「FUSO THE GRATE」なぜトラックで移動するのか、スポンサーだから・笑
「オカマだろ、これじゃ」
「(オイルライターの火のつけかたを)高校ぐらいのころ、練習するじゃない?誰だって」







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2022年05月14日

【映画】 シン・ウルトラマン 2022年 (書きかけ)



(書きかけです。
 どうせ、
 配信されて台詞が字幕にならないと、
 何喋ってるのか、全貌が掴めない・笑)

公開日の2022年5月13日に急に思い立ち、
金曜日深夜の回を観るために、歌舞伎町へ向かいました。
そんな行動に、
自分は「ウルトラマン」という作品に思い入れがあるんだな、と思いながら。


(本作だけでなく、初代ウルトラマンのネタバレもします)


【(初代)ウルトラマンが好きな理由】

本作を鑑賞後、
自分が「(初代)ウルトラマン」が好きな理由を
あらためて認識することになりました。

初代ウルトラマンでは、
科特隊は、
ウルトラマンの助けなしにゼットンを倒し、
科学の進歩を力の源に
人類を守ることが描かれました。

メフィラス星人は
子供との対話により地球侵略を諦めました。

そういう、
科学の進歩や人の善性の明るさに基づく物語が
好きだったのだと思いました。

また、
フジ隊員は、生々しさのないところがよき特徴なんだなと思いました。

( アンヌ隊員を知ったあと、
  物足りなく感じたことがあるのは秘密・笑 )

フジ隊員の巨大化シーンは、
本作のCG合成に負けない見応えがあったのだと思い返しました。

( 旧作でのフジ隊員の巨大化シーンを
  アンヌ隊員で作ったと想像し、
  本作での同シーンと
  それぞれ比較してみるとよい )

( また、大きさや角度が正確なリアルな描写だけでは
  わくわくしないところが特撮にはあると感じた )

( 両作品とも、巨大化の場所は、丸の内のほぼ同じ所であるようだ )


【山本耕史】

本作で一番見どころがありました。

独りで地球ごと詐欺にかけるみたいな・笑、
彼にしか演じられないものがある領域に達しているのだなと・笑。

他には、「ステキな金縛り」の段田譲治(小日向文世)を思い浮かべましたが、
そんな変わった配役は滅多にあるものでもない・笑。



・ 藤原頼長、三浦義村、土方歳三、石田三成、植木等
・田沼意次の頃の江戸で浪人もしていた(居眠り磐音
 全部、NHK・笑

 彼が演じてきた多彩な役どころの何か、どこか、共通点があるのかな?


【本作のディストピア感】

「空想特撮シリーズ」だが、
近未来的な技術描写はほとんどなく、
ノートパソコンやUSBメモリーで仕事をしていて、
旧態依然な技術装備であり、
VRゴーグルを用いた会議はギャグ扱い。

( Zoomなどで仕事をするのが当たり前になる前に作った脚本 )
  5年後10年後には非常に古臭く見えるのではないかと思います。

( 庵野氏も既にオールドタイプになっていて、
  宇宙人が地球人に
  宇宙の仕組みを秘密裏に伝える方法など、
  若い作り手が
  なるほど、と思うものを発明して欲しい )

( 問い合わせが殺到する際、
  霞ヶ関では今でも電話がなりひびくのかな、
  もう違うような気がする)

浅見弘子(長澤まさみ)の描き方は、
かつての作り手たちがあえて避けているところを
わざわざやった感がありました。

( あるいは、
  「シン・ゴジラ」の感想で
  カヨコ・アン・パタースンは
  アニメ作品なら人気キャラになるのではないかと
  書いたことがあるのですが、
  浅見のキャラや行動も
  アニメ作品なら見え方が変わるかもしれない
  庵野氏の脚本にはそういうところがあるのかも。 )  

ストーリー上、
浅見の禍特対への配属は、
神永が子供を救出しに行った後であり、
ラストシーン以後、
彼女は神永に違和感を覚えるのではないかと思いました。

政府・政治家の描写は、
赤坂(竹野内豊)という記号が活躍しているところ、
残念だと思いました。

多世界宇宙マルチバースというものが
全然分かりませんが、
巨大な兵器をどこかに飛ばして、
他に迷惑はかからないのでしょうか?

ゼットンは、おそらく宇宙にただひとつではないし、
ゾフィーは、もともとの任務が未達成となっている。

( ゼットンは、1台おいくら、
  国家予算も吃驚にお高いんでしょう?
  任務未達成のゾフィーは懲戒処分を受けたりしないのでしょうか )

メフィラスは、ゾフィー(ゾーフィ?)の目的を察して、手を引いた。
(と私は理解しました)
ゾフィーが帰ったと知ったら、
ベータボックスを持って、戻ってくるだろう。

桁違いに高度な星外文明といきなり対峙しなければならなくなった、
地球人類の未来は、お先真っ暗、という物語であったように思いました。

(作り手が自覚的に
 現実をそのように感じて制作している、
 ということを意識する必要のある作品ではないでしょうか
 また、ウルトラマンは、
 結果的に、地球に災厄をもたらした存在となっている)


金城哲夫氏に本作の感想を聞いてみたい】






・文明人ウルトラマン、未開人地球人類



なるほどと思いました。
作り手は、人間や世の中でなく、
ウルトラマンに心を寄せている、のか?





・ウルトラマンは「まれびと」であるという考え方
 
 ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダー、同じようにヒーローでいて、根っこはそれぞれ意味が違うようですね。






・ウルトラマン 「故郷は地球」 イデ隊員から教わったこと

  http://inatt.tokyo/article/483086938.html 


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2021年03月01日

【映画】 シン・ゴジラ 2016年



20210301追記

個人的には、
これから、国難という言葉が使われるようなことがおきる都度、
( 地震、疫病、戦争...)
この映画のことをふりかえることになるような気がしています。

時が長く経つと、
この映画を観ても、
「ただの絵空事の怪獣映画じゃん」
と思えるようになるのだろうか。








20160820記
 
映画館でシン・ゴジラを観て、
初めての感覚を得ました。

作り手たちは、2011年の震災の出来事をふまえて、
この映画を作っているし、
観る私も、震災の経験を経たからこその何かを
この映画から感じている、
という確かな感覚です。

明治維新のお話しも、
日露戦争や太平洋戦争の物語も、
自分にとっては、
歴史上の事実でしかなく、

(1954年の)ゴジラは、何々を表したものだ、
と言われても、
そうだとしても、
それはリクツでのこと、
と思っていました。

子供のころから、
ゴジラやウルトラマンや仮面ライダーを
楽しんできたけれど、
ウルトラマンは何々のシンボル、
とか思ったことがないし、
意味のないことだと今でも思います。

でも、この映画は、
今の日本や、
これまでの私が生きて見てきたことの、
何かを表している、と感じました。

10年前に、
固まったゴジラが屹立する東京丸の内街の絵面をみても、
何も感じとることはなかったと思う。

でも、今は、
毎日働いている街にゴジラが立っている映像が、
現実に無意識下に感じていることに繋がっている何かを
思い出させる。

( それは、物語の中の人たちでなく、
  この物語を観ている私たちに向けてのもの。
  この物語のなかでは、しばらくのあいだ、
  千代田区や港区は人の住めない街になった。
  おそらくは皇居も。
  現実の世界でそれが起こったら、
  また別の想いも現れるだろう。 )

映画のなかに、
同時代の人だから感じ取れるものが
含まれることがあるのだと身をもって体験しました。

例えば、
1967年の映画、日本のいちばん長い日には、
私には判らないが、
1945年8月15日を経験した人に感じ取れるものが
含まれているかもしれず、
2015年の映画、日本のいちばん長い日には、
もうそのような成分はない、
というような観点の存在に気づいた体験でした。

( 海外の人が、この映画にどんな感想を持つのかとても興味がある。
  また、日本人でもこの物語を空想ものとしか感じられない人と、
  この物語にあらわれる要素こそが今の現実だと感じる人がいることを
  興味深く感じています。 )  

だからこそではありますが、
この映画の冷静な評価が固まるには、
長い時間がかかるような気がします。

( ゴジラやウルトラマンで育った作り手が製作した、
  怪獣特撮映画としての、単純、冷静な評価。

  丸の内のどのビルが壊されたか、
  というブログを読みました。
    シン・ゴジラと東京駅周辺の質量兵器群
     http://yosha-ki.hateblo.jp/entry/2016/08/19/130640
  この映画にふさわしい論評だと思う。 )

私も、
今はこの映画を何度も繰り返しみたいというよりは、
まずは、いったん、文字で、
映画のなかの台詞を全部確認したいですね・笑。


ーーーーーーーーーーーーーー

20160905追記

2回目をIMAXで観ました。大変楽しめましたが、
この映画は、大画面でなくとも、家の小さなテレビで観ても、
同じく楽しめそうに感じました。

今感じていること。

・女性限定鑑賞会議が大盛況だったこと。
 そういう層が確かにいることを、
 現在のマーケティングを考えるうえでよく覚えておきたい・笑
   http://togetter.com/li/1016036


・発声可能上映





・この映画がアニメやオールCGで作成されたとしたら、
 片桐はいりのひとことだけの台詞や
 尾頭ヒロミの最後の微笑は、
 あんなに印象深いものになるだろうか、
 一方、
 カヨコ・アン・パタースンは、アニメなら、
 惣流・アスカ・ラングレーのような、
 もっと人気の高い人物になったはず・笑
 つまり、この映画は、
 アニメ的なものと、実写映画的なものとが、
 微妙に混合してできていると感じました。
 この映画が楽しめない人は、その成分のどれかがダメなのでしょう。

・あと、恐ろしい仮定としては、
 首都圏で大規模直下型地震が発生した後、
 この映画を観たときの感想。
 どういう風に感じるのかな。


ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ
カラー、東宝

490503308X

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2021年02月28日

【映画】 海辺の映画館ーキネマの玉手箱 2020年



“ねぇ、映画で僕らの未来変えて見ようよ――”

−大林宣彦監督人生最後のレトリック





大林宣彦監督は、
この映画に自分を塗り込めて、
自分の想いが永遠に伝えられるようにしたのだ。
まるで、羽臼屋敷のおばちゃまのように。





未来を変えることができるのは、
映画だけということではないはず。

あえて「映画」に拘っているのは、
世の中の行く末だけでなく、
「映画」の未来にも
悲観的な予測を持っていることの裏返し。

また、
自分の「想い」が消えてしまうという恐れを心のうちに持っていたのでは。


私は、
「物語の命は永遠」
だと監督の映画から教わったことを
いつまでも忘れずにいたい。





呟きの記録


















大林宣彦監督作品の感想
 http://inatt.tokyo/article/462052806.html




20230116追記

高橋幸宏さんが、2023年1月11日にお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りいたします。

天国で大林監督も「早すぎる」と驚いているだろう。

IMDb
 https://www.imdb.com/name/nm0847217/




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2021年02月03日

【映画】 裏窓 Rear Window 1954年 (書きかけ)



20210203記

BSプレミアムで放送されていたので、
久しぶりに観ました。

https://www.imdb.com/title/tt0047396/

私にとって、一番最初のヒッチコックで、
40年近く昔、名画座で観ました。

この作品が、初ヒッチなんて、
素敵な巡り合わせですが、

そのとき、私は、
「すごくよくできた火曜サスペンス劇場みたいだ」
という感想を持ったのをよく覚えています。

未熟な自分が恥ずかしい、ヒッチコックに謝れ・笑

・説明台詞など一切ない、すべては映像で語る
・登場した瞬間に素晴らしいグレースケリー
  美しく、賢く、健気で、勇敢。(煙草も嗜む)
・若いセレブの無邪気な行いに、ふっと笑う大人なジェフ
・"Perfect"と言われて、哀しい表情になるリザ





今回観ていて、
三谷幸喜がリメイクして、
登場人物が三谷作品常連俳優たちだったら、
とても面白そうだと思いました。

その物語では、
緊急事態宣言で、
皆、ステイホームしてるんだな・笑

ヒッチコックに謝れ・再

しかし、懲りずに、
どんどん書き込んでいく欄をつくろうと思ったのが、
このエントリーの目的です・笑

James Stewart(役所広司、中井貴一、大泉洋)L.B. 'Jeff' Jefferies
Grace Kelly(鈴木京香、綾瀬はるか)Lisa Carol Fremont
Wendell Corey(佐藤浩市、山本耕史)Det. Lt. Thomas J. Doyle(警部補)
Thelma Ritter(戸田恵子、長野里美)Stella(家政婦)
Raymond Burr(小日向文世、相島一之)Lars Thorwald(貴金属のセールスマン)
Judith Evelyn(堀内敬子、宮澤エマ) Miss Lonelyhearts
Ross Bagdasarian(小林隆、伊藤俊人)Songwriter(作曲家)
Georgine Darcy(小池栄子、宮澤エマ)Miss Torso(ダンサー)
Sara Berner(峯村リエ)Woman on Fire Escape
Frank Cady(浅野和之)Man on Fire Escape
Jesslyn Fax( ) Miss Hearing Aid
Rand Harper(香取慎吾)Newlywed
Irene Winston(竹内結子、八木亜希子)Mrs. Emma Thorwald
Havis Davenport( )Newlywed
Alfred Hitchcock(三谷幸喜)Songwriter's Clock-Winder (uncredited)


20210708追記

朝ドラ「おちょやん」で栗子さんに魅せられて、

Miss Lonelyhearts に宮澤エマを追加・笑













The abyss gazes also into you.


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2020年12月09日

【映画】 転校生 1982年



大林宣彦監督作品

■鉄橋を渡る小林聡美
 
夏、というと、
この映画の映像を思い浮かべることがあります。
( 正確には、6/10から1ヶ月余りのようなのですが。 )

ラストシーンはもちろんですが、

忘れられないのが、

自転車を漕いで鉄橋を渡る小林聡美。

なんであんなに躍動的に見えるのだろう。

20201014・尾道・鉄橋・4MP・IMG_2239.jpg
(20201014撮影)

この映画は、

一美になった一夫や
一夫になった一美の話というよりは、

斉藤一美と、
斉藤一夫が乗り移った一美と、
一夫に乗り移るという経験をした後、元に戻った一美を、

一所懸命、活き活きと演じる小林聡美のひと夏の映画なのかもしれません。

「血が通った」芝居とか言いますけど、
血が通った「小林聡美」を写し取ったので、
鉄橋を渡る躍動感が生まれたのでしょうか。

そんな彼女を自らの分身である一夫が8ミリに撮り、
一夫ごと、まるごと映画の中に閉じ込めて、
少年大林が呟く、「さよなら、おれ。」


■自由で幸福な映画作り

wikipediaの、

『大林千茱萸は、つまり完全に「プロの映画屋による自主映画」と述べている。「金銭面での苦労はあったが心に不自由なことは何ひとつなかった。むしろ自由で幸福な映画作りは永遠にフィルムに焼き付いていると信じられるし、その幸福感が観る者の心にも触れるのだろうと思う」と話している。』

という言葉がこの映画をよく説明していると思います。


今は気になる画や音のノイズを最新の技術でとりのぞくことも可能でしょうが、
そういうことをすると何か大事なものも無くなってしまうのでしょうね。


■同じ映画を今日観るのと明日見るのとでは、見え方が変わってくる

この映画を
10代、20代、30代、40代と繰り返し観て、
感じることが少しずつ変わっていったことを実感しました。

それは映画が変わったのではなく、
自分が人生を経て変わっていっているということ。

その内容を人に上手に説明することは自分にはできないけれど、
とりみきの「もうひとつの転校生」を読んだり、
2007年版「長野転校生」を観たりすると、

自分以外も、
これを作った監督本人でさえ、
それぞれに、
同じことを体験しているのではないかと思いました。


「映画は同じ作品を何度も繰り返して見てほしいと思う。というのも、同じ映画を今日観るのと明日見るのとでは、見え方が変わってくるからだ。」
「キネマの玉手箱」(p173)


■さよなら、オレ

この映画を観る度に、
「さよなら、オレ」という台詞の意味について、考えるのですが、


原作の「おれがあいつであいつがおれで(山中恒)」の
旺文社文庫の大林監督の解説文に、
とても直截的に分かりやすく説明されていました。

すると今度は、
リメイク作品に、「さよなら あなた」と題名をつけたことが、
今更に、気になってきました・笑

(初稿20060808)




 
・音楽
 
 冒頭 トロイメライ




( ホーム・コンサート・ベスト30 "マドンナの宝石" )

エンドタイトルには、品番 TA-5017-8 とクレジットされている。

「たまたまうちに「家庭で聴くクラシック名曲全集」というLPレコードがありまして、僕が高校時代によく聴いていたんです。ああ、このレコード1枚でいこうと思い、しかも調べてみたら版権がもうない。1曲だけ「アンダンテ・カンタービレ」が著作権が残っていた。あれはカルテットの曲ですからそれだけ5万円で撮り直して、音楽費5万円で終わった。」(「大林宣彦、全自作を語る」p151)


( 1曲だけ版権があるというのもよくわからないが、

  レコードに収録されているのは、朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏のようなので、

  オーケストラでなく、弦楽カルテットでやりたかった、

  ということなのかもしれない。

  そうなると、ひとりあたり1万2500円の日当で集められた、

  4人の弦楽奏者のことも気になる・笑 )


・洋館付加住宅

20231014のブラタモリ・北九州で、
日本家屋に、1間の洋館を付加した住宅を洋館付加住宅と呼び、
大正昭和に、港湾都市によく作られた、
と説明されていました。

一美の部屋はそういうことか、と思いました。







大林宣彦監督作品の感想
 http://inatt.tokyo/article/462052806.html





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posted by inatt at 00:55| Comment(1) | TrackBack(1) | 感想など・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする