2024年08月05日

【マンガ】 ドカベン ( 書きかけ )



20240805記


勝手な想像ですが、

作者が作品の電子化を拒否しているようで、

作品を目にすることがなくなってきています。


今なら、コンビニのマンガコーナーで目にしたら、

買ってしまうと思う・笑。


ということで、

この作品で最初に目にしたと記憶していることの覚書。


・運動中に水を飲んでもいい

・ストレッチ

第4アウト ( 正直、今でも理解していない・笑 )




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2023年02月06日

【マンガ】 ファイヤー! 1969年 ( とシーナ&ザ・ロケッツ ) ( 書きかけ )



20230128に、

水野英子(みずのひでこ)の

「ファイヤー!」復刻版が届いた。


20230130に、

鮎川誠氏が亡くなったことを知る。


20230205深夜に、

「シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢」というドキュメントを観た。

鮎川誠の7歳の孫娘がシーナ&ロケッツのライブの物販を手伝い、

ライブ中、楽屋で踊っていた。







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2022年12月04日

【マンガ】 サイボーグ009 (第6巻) (書きかけ)



秋田書店のSUNDAY COMICS

昭和42年初版のマンガコミックスだが、今でも新刊で買える。(20220904)

平成24年1月の68版でした。(筆者は「石ノ森」となっています。)






「ジョウ! きみはどこにおちたい?」

「カズちゃん なにをいのったの?」

「おもちゃのライフル銃がほしいってさ」

「世界に戦争がなくなりますように……」

「世界中の人がなかよく平和にくらせますようにって……いのったわ」





この物語の示すことは、この巻で語り終えており、

兵器で、兵器を失くすことはできない、ということかなと思います。

だから、

この回以降は、

主人公たちは、

別の、超常的なものとの終わらない対峙を繰り返していくことになりました。


(大気圏突入時の刹那にジョーが見た夢なのでは?)






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2022年12月01日

【マンガ】 ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ いしいひさいち



絶品のスルメよ。聴けば聴くほど小さな発見が散りばめられていて飽きないのよ。






【音楽の物語】

何度か同じことを言っていますが、マンガこそ「音楽の物語」を描くのにふさわしい。

咆哮といっていい声量があって、ファルセットがアルトとか、
存在しうるのか、よくわからないけど・笑、

(私のイメージは、
 声が低い30代の中森明菜を若くして、
 自尊感情が薄く、
 声量があってファルセットも使う?)

読む人が頭の中で何かイメージできていれば、それが真実。


【ストーリーライブ/ストリートライブ】


「ストーリーライブ」という言葉の意味。

わたしにはよくわかりませんが、

どこかの道端に無予告に現れ、

いつもの定番だったり、ちょっと新曲も混じっていたり、数曲歌って、

「また聴いてください」と去っていくような

イメージが浮かびました。



【別れの季節】

ののちゃんをちょっとしか読んだことがありませんが、

その舞台を使って、登場し退場した人物の物語は、

町から出ていく(居なくなる)人を描いたことになったのかな、と思いました。


【柴島美乃】

2度目は、柴島美乃の物語として読みました。

だから、

このお話は続きがあるように感じています。


また、

とある「鬼吉川」のひとりのお話とか、

物語が徐々に拡がっていくことを妄想しました。

誰の人生にも「歌を聴いた」思い出がある。


( 鬼吉川・おにきっかわは、
  吉川経基(きっかわつねもと)から。
  ロカの鬼吉川は600人らしい・(花の雨が降る) )






(以下、自分用の無駄書き)

( ロカ岬 )
( たまのの市 )

「『歌がうまい』と『歌うのがうまい』は違うのよ」(NO.11)

「ちょっとお願い」と引き換えに商会を継ぐ(NO.32)
( 弟が継げばいい、私は好きなことをやる、と言えば、違う人生になる ) 

( 音楽の先生、どうしてるのかな。数字の3を横にした目の人。 NO.43 )

ファルセットもアルト(NO.70)

芸能界は「下りのエスカレーター」に乗っちゃったようなモンなんだ(NO.71)

ユニセクシャルな歌声(NO.81)

お墓参りついでライブ(NO.93)

ルイス・ゲレイロ(NO.97)

「孤独の世界」で動画検索 (NO.104)

( 初めて聴いた「孤独の世界」に、
  夜中に音楽を聴いていたいつかの情景を思い起こされた。 )


( 吉川ロカ全曲集(改)
   http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-fb23.html )






単行本『ROCA』販売特設サイト

 https://www.ishii-shoten.com/honnmaru/rocaw09.html





・オーディションの顛末(A興行社からE音楽事務所まで)
 3人(飯田さんとヒョウタンツギと銀行のモモンガ)が
 合意できた理由がじんわりと胸にくる。






07 4250(コインロックス) 4272(よぉ歌い込んどる) 4291(出前もします) 4312(ゲロゲロ)4327(サービスランチ) 4333(あんたのファン) 4341(リスボンの酒場) 4397(捌いてあげようか) 4399(出前) 4463(おわびに一曲) 4465(服装チェック) 4470(15人以上)

08 4896(マネージャー兼キーボード) 4897(3人帰った)5021(プロデューサーを面接)5022(遠い遠い明日) 5066(ちょっと早い別れの季節) 5109・5110(船員)

09 5217(このごろ見ないけど。)





ののちゃんの無駄書き

私がコント作家なら、いしいひさいちは読めない

( うっかり読んだら仕事ができなくなりそう )


07 4385(虫取り網)
08 4797(テストの単位) 4978(あたりが出たら)

(笑)いしい商店 スクラップスチック 2022年10月25日新着
( 足元を見るために玄関扉の下部にもうひとつ作られた覗き穴(ドアスコープ) )





・呟き諸々







中村由利











































端の焼け焦げた高校時代の写真



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2022年09月15日

【マンガ】 美味しんぼ 雁屋哲/花咲アキラ (書きかけ)



wiki

登場人物wiki

いろんな方面から毀誉褒貶のある本作ですが、

若い頃、いろんな「食の知識」を教えてもらいましたし、

「世の中の食の常識」のうち、本作が伝播元になっていると考えられるものも多い。

また、
超長期連載であるがゆえに、
「世の中の食の常識」が時を経て変化することの証拠となっていることがある。
お話のネタが発表当時はともかく今では多くの人が知ることになっているなど。

本作がいつごろ、どのような主張をしたか、整理しておくことは、
とても意味があると思います。

本稿は、
本作で「何年頃発表されたエピソードに、このようなことが述べられている」
ということをそのまま無駄書きするものです。

「個人的な食の知識の思い出の備忘録の参考資料」のようなもので、
本作の主張の、根拠、出典、是非、正誤については、言及しません。

( マンガ史の面においては、ネットまとめ記事すらいっさいない作者(作画)にも、下世話な面も含まれてしまって申し訳ありませんが、興味があります。原作が全てで誰が描いてもヒットした、とは思えないので、客観的な批評/評価がいつか行われればよいと思います。たとえば栗田ゆうこの外見の変化とか。)

(作品が電子化されていることにより、このような記事を作りやすくなっていることも覚書)





【第2巻(1985年5月1日初版)】

■手間の価値

「この豚バラ煮込みは出来そこないだ、食べられないよ」
「この東坡肉っていうの、これはすばらしい料理だわ。「究極のメニュー」に加えたら?」



■そばツユの深味

「この野郎、窃盗犯だッ!! 雷門の「藪」の味を盗みやがったな!!」

■日本の素材

「牛肉に一番良く合うソースは醤油だと忠告してくれる人がいましてね」

■包丁の基本

東京の路上で包丁を掲げる
鯛ふじ ( 食べログ )

■幻の魚

葉山の根つきの鯖
松輪サバ





【第4巻(1985年12月1日初版)】

■直火の威力

中華料理の基本は炒め物

( 実際、炒飯が美味しい料理人のお店は、
  ぱらりもふわりもしゃきしゃきも自在で、
  その店の炒めものはどれも好いというのは
  経験的に思うこと )

■女の華

サメ皮の下ろしでわさびを下ろす

■旅先の知恵

社員旅行
筍の刺身

■酒の効用

三倍増醸 ( 三倍増醸清酒 )

「たいていの酒屋は温度管理も出来ていない所に出しっぱなしにしてある」
「海の幸に合うのは日本酒が第一です」

■食卓の広がり

「江戸前の天プラは本来ゴマ油で揚げるものなんだ」

■うどんの腰

「足で踏んだ方が、うどんに腰が出るからね」

■板前の条件

「煙草を吸うなら料理人になるのはあきらめた方がいい」

■縁日のにぎわい

「女の予想なんか信じた、自分の馬鹿さかげんが許せない!!」




【第8巻(1987年2月1日初版)】

■飲茶

「山岡くん、これは業務命令だ」
この台詞が終身雇用社会のほのぼのとしたノスタルジックを感じるものになるとは・笑

「美味しい物を食べながら政治の話をするなんて、いちばん不純でしょう。」

中国でも日本でも、
今は偉い政治家だが
実は若い頃は苦労人で意外な特技があり、
という物語がとんと作られなくなったような気がする・笑


( 今は、有能でも無能でも、

  2世で、ぼんぼん育ちというステレオタイプ・笑 )



■SALT PEANUTS



ストレイト・ノー・チェイサー - セロニアス・モンク
[iTunes]ストレイト・ノー・チェイサー - セロニアス・モンク


Salt Peanuts - チャーリー・パーカー, ディジー・ガレスピー, バド・パウエル, マックス・ローチ & チャールズ・ミンガス
[iTunes]Salt Peanuts - チャーリー・パーカー, ディジー・ガレスピー, バド・パウエル, マックス・ローチ & チャールズ・ミンガス


■スープと麺

「材料(料理の要素)が中国のものである以上、中国の調味料を使う」というのは、
連載時には「理屈で作ったお話」という感想を持ちました。
今は、
日本の調味料を使うか中国のそれを使うかでは、
まったく別の皿になる、というのは理解できます。
しかし、
冷やし中華が日本発祥の料理とするなら、
日本で作る材料、調味料でこそ、
本領を発揮するのではないかと思っています。

( 調味料のひとつ、ふたつを中国由来にすることが、
  味付けの肝になるということはありうると思います。 )

  



【第11巻(1987年9月1日初版)】

■お菓子と夢


「一番高いケーキは、一個千五百円します。」


■トンカツ慕情


「いいかい学生さん、
 トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。
 それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、
 ちょうどいいくらいってとこなんだ。」






【第17巻(1988年12月1日初版)】

■餃子の春

「化学調味料もかなり使っていますね」
「最近のお客さまは、化学調味料の味にならされてしまっているようだから、〜」
「その風潮を変えていかないと、日本の食文化も先がないな。」

アニメの当該エピソード回(初回放送1991年?)の再放送時に
「化学調味料」の台詞をカットしているというブログを読みました。
2008年4月の記事

ABEMAで当該回(第76話)を観ましたら、台詞はカットされていませんでした。(20220915)

うま味調味料」という言葉が何時頃どのように浸透していったのかも興味深い話題。

 



第30巻(1991年7月1日初版)

■鮭勝負!!

「平安時代の昔から、鮭は生食するものではないと言い伝えられてきている」

( ビョーン・エイリク・オルセン BjörnEirikOlsen
「1995 年にはじめてプラスチック容器に入ったノルウェーサーモンのにぎりを東京で
見たときに私たちはやっとマーケットの変化を感じました。」
サーモン寿司30周年に際してのご挨拶






【その他】

・東西新聞が築地に「東西新聞築地寮」という施設を持っていること。大企業が接待または身内の宴席のための和風のそのような施設を持っていることがよくあるという覚書。


(その他 本作で取り扱われたもの)

・いちご大福





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2022年07月18日

#わたしを作ったとり・みきマンガ5冊






しれっと6作品にしてあるが・笑、

( 作者は多くの人がこういう反応をするとあまり予測していなかったのかもしれないが、)

作者に自分の発言を見てもらえるなんて、めったにない機会。有難い。


作者に「いいね」をつけていただきました。素直に嬉しい(20220722)


・クルクルくりん

 絵柄が大好きだった。

 こういうことは理屈でなく、確かに自分自身の真実の感想。


・吉田さん危機一発

 本屋さんの立ち読みとか、電車の中とか、
 周りの目があるのに、
 声を出して笑うことを止めることができない。

 そんな経験をした一冊。(もうひとつは、「マカロニほうれん荘」)

 それがギャグマンガの威力。素晴らしい読書体験。

 10年たって、再読したとき、その体験は再現されなかった。

 それがギャグマンガの恐ろしさ。

・カットバック

 作品の感想からははずれるが、

 自分の好きな漫画家が自分が好きな映画監督の作品に夢中になり、

 その影響を受けている作品を読むことができたことが、

 とても貴重な好い経験。


・てりぶる少年団

 メジャー少年誌の連載開始に喜び、

 期待したとおりの内容だった。

 なぜ打ち切り?になる・笑

( ↓作者の評価 )







長年少年誌の連載を続けている方が感じる「すごい」









めんどくさくてごめんなさい・笑









・作者にリツイートしていただいた。素直に嬉しい。(20221028 今期2回目・笑)

その時の「世情の影」を描いて、怪談になっていると、感じました。

(たとえば、
 明かりの足りない真夜中のコインランドリーで、
 縦型の洗濯機の蓋を開けるときに、
 ぞわっと感じるもの)

時を経ても、時代を映して伝え続ける作品になっていると。

今、コロナという歴史に残る時期でありながら、
同じような「ホラー」を個人的にはあまり目にしていないな、と思いました。

進行中の出来事だからなのか、あの頃とは、何かが違うのか。

( あるいは、
  Twitterなどで「リアル」なこととして、今、語られていることが、
  後の世では「ホラー」なこととして捉えられるのかも。
  今、明治時代の本当の新聞記事を「ホラー」な文脈で読むことがあるように )

作家か、読み手か、どちらかの問題なのか。











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2022年07月15日

【マンガ】 ベルサイユのばら 1973年



「基本的人権の尊重」を最初に学んだのは、

小学生のとき読んだ「ベルサイユのばら」の、

オスカルが語る言葉から。


という、個人的な精神史でとても重要なことの覚書。





( オスカルになりたい、と
  サファイア(リボンの騎士)になりたい、
  は同じなのか違うのか )



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2021年03月12日

【マンガ】 よつばと!



20210312記

15巻の帯の表に

「普通という奇跡」とだけ書かれていて、

表紙の画が帯がついていることを計算していて、

14巻の帯と同様、

いらっとしました・笑

( 「普通」って何?
  「奇跡」って何?
  ちゃんと考えての言葉なのか、と思わせる。 )


ランドセル購入のシーン、
思わず手を目にあてるとーちゃん。
そして、よつばの台詞。

そういう描写がなくても、

最後のページで、
いつもと同じような表情で
よつばをみおろすカット、
そこから、
読み手の想像力でいろんなことを感じることができる、
そこが、このマンガの好きなところでした。

 
20200407記

【14巻の感想】

今までと同じく、面白く読めました。

・帯のこと

大変がっかりしたのは、帯。
「世界vs子供」とだけ書かれている。
担当者は、本当は確固たる考えをもってないけど、
それっぽいもので、表面的に格好をつけた、という印象を受けました。

作品が表現しているものに対して、
的を射ているとは思えず、
多少の投げやり感も感じてしまって、
担当者の作品に対する愛情を疑ってさえしてしまう出来だと思います。


・物語の舞台

初期の頃は、物語の舞台がどの地域なのか、はっきりせず、
それが日本のどこでもないどこかのお話、
というような普遍性にもつながっていたと思います。
(海水浴のエピソードでは、千葉のほうかなと思ったこともありましたが、)
ところが、本巻では、
明確に西武沿線と示され、
西武とJRに乗って、
代々木公園と原宿と
日本橋のシティホテルのバイキング。
物語のスケールが狭く小さくなり、

この作品が持っていた独自の世界観の魔法が解けてしまった感があります。






200810267記

【初めて読んだときの感想】

今まで知らなくて、
コンビニとかでも、目がスルーしていたようですが、
多分、絵柄が読まず嫌いだったのだと思いますが、
マンガ夜話を見て興味が涌きました。

たいへん、面白く、楽しめるマンガでした。

うまく説明できないのですが、

シンプルというか、
洗練というか、
わび、さびというか、
世の中の汚いものを見せずに済ませる高度な技というか、
究極に洗練されたひきこもりとか、
絶滅した人類の最後のひとりが読んでいるとか、

いろんなことを考えました。



20111203記

よつばと! って、
100年後に、
「日本で成熟したマンガ文化の最高峰のひとつ」
と言われているかも、と思うことがあります。

なんとか、春夏秋冬ひととおり、
物語を進めていただきたいと思います。

よつばと! (1)
あずま きよひこ

4840224668

関連商品
よつばと! (2)
よつばと!(3) (電撃コミックス)
よつばと! (4) (電撃コミックス (C102-4))
よつばと! (5) (電撃コミックス (C102-5))
よつばと! (6)
by G-Tools
 




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2021年01月14日

【マンガ】 瞬きもせず 紡木たく 1987年


 
お父さんがビールをこぼしてごめんなさい





【連載開始時のこと】

別冊マーガレットで、
ホットロード」の連載が終わったのは、
1987年5月号(wikiによる)。

しばらく、
今でいえば、「紡木ロス」な気持ちでいましたが、
1987年9月号(wikiによる)から
最初は、
3話の短期連載として発表された、
「瞬きもせず」

(最初は全100ページ前後編2回掲載となっていたが、
 実際は3回掲載になり、
 さらに長期連載に変更になった記憶)

当時の少女マンガが
どこでもない空想的な小綺麗な街を舞台にしたお話が
ほとんどであったところ、

この作者の物語は、
多くの作品が横浜・湘南を舞台としており、
横浜の雑踏、
湘南のからりとした白い陽射し、
現実感のある背景描写が印象的でしたが、
更に進めて、
登場人物たちが方言を話し、
どこだかよくわからなくても、
日本の田舎だと確かに判る、
地方を舞台にして、

お父さんが陽気に酔っぱらっているところを
同級生に見られて恥ずかしいと思う
純朴な高校1年生のひと夏のお話。

すごく新鮮で夢中になりました。




【紡木たく作品の主人公たち】

まず、「瞬きもせず」という作品は、タイトルが好い。
紡木たくの作品のための言葉のような気がします。
終に、この作者は、
大人を主人公にすることがなく、
子供が大人になることを描きませんでした(*)が、
紡木たくの作品の主人公は、
みんな「まばたきもせず」何かを見つめています。
紡木たくの作品全部、
タイトルが「瞬きもせず」でも、違和感がないとも思うくらいです。

(*)
例外の覚書

バスの中で妊婦に席を譲る玉見トオル


【ラストの追加】

この作品のラストは、
連載時は、
かよ子のモノローグで終わっていましたが、

単行本、文庫になるごとに、
複数回改訂され、
カットや台詞が追加されています。

確かに、
連載時に最終回を読んだとき、
少し物足りなさを感じた記憶がありますが、
最新の版なら、
その物足りなさが解消されているかというと
そういう感じもしません。

連載時のままでも問題ないようにも思います。

自分が年老いて、思うことですが、
作者が
かよ子がその後どのような人生を歩むのか、
どんな風に考えていたのか、
興味があります。


かよ子のモノローグで物語が終わらず、
紺野のその後をお知らせする、
この追加は、
紺野の行く末にいまいち納得感が
出ないことによるものでしょうか。
彼の夢が破れたままでいるところなどが。

この物語は本来、
かよ子の物語なので、
サッカーに焦点がいって
物語が閉じるのは変な感じもします。

確かに、
今のままでは、彼が花屋の主人になるまでには、
もう1回か2回、人生に迷いそうなところがあります。

うっかりすると、
初恋をふりきった、輝也や美っちゃんのほうが、
印象深く、魅力的になりかねないところがあります。

この点については、
ラストをいじることだけでは、
うまくいってないように思います。

もし、私が作者に望むとすれば、
東京にいるときの紺野のお話を外伝でもよいので、
追加していただきたいです。

紺野が、東京でひとり、それなりに頑張りながらも、
夢がかなわず、かよ子に別れを告げ、
その後、故郷に戻ることを決意する経過は、
基本的にかよ子の視点、気持ちから描いているため、
かよ子の残した伝言で彼が帰郷を決心したような形になり、
彼の主体性が感じられません。

従って、その部分をそれなりな分量で、
紺野の視点で描き、
彼が彼なりに納得して、
故郷に戻ることを決断した、
また、新しい夢を見つけた、などの
物語を読んでみたいと思いました。

(初稿20061110)


20210114追記

最終回掲載の別冊マーガレットを再び読む機会がありました。

かよ子の独白と、
サッカーボールと戯れる少年のカットで終わります。

(今の単行本の版ではこのカットを見開きにするために書き直されているようです)

今の私は、連載時のこの終わり方で全然問題ないと感じました。


20220924追記

ホットロードの和希、春山、
本作のかよ子、
ともに、物語の最後は、
画面の奥へ進む後ろ姿が描かれているが、

大人になった彼らの正面の姿は、
私たちには分からない。





【紡木たく作品の背景に流れる音】

紡木たく作品を読み始めた頃、
街の雑踏の音、
特に、
街に流れ漏れている音楽が聴こえてくる(ような気がする)のが、
(描き文字で描かれているからでもありますが、)
とても印象的でした。

個人的な思い出として、

「みんなで卒業をうたおう」と「机をステージに」を読んだとき、

ある曲が自分の頭のなかに、
自然に流れだしたことに驚いたことを覚えています。


(作者の頭の中では尾崎豊かもしれないのですが。)


読む人の内面に豊かな心象を湧かせる力を感じることがあります。




20131020記

2013年の4月から9月まで、
朝ドラあまちゃんを観るのが1日の最大の愉しみであった私ですが、

能年玲奈が『ホットロード』の宮市和希を演じるというニュースに驚きました。

何に驚いたかというと、
紡木たくが、ホットロードを実写化できると考えているらしいこと。

紡木たく作品は、映像化することがとても難しいものと感じていましたし、
作者本人がそれを望んでいないと思っていました。(**)

( 映画ホットロードのホームページには、
  原作者のコメントページがあったのですが、
  現在はなくなっています。20161119 )

和希や春山のような人物を映像化することなど可能なのでしょうか。
特に、春山は、現実には存在しない、妖精のようなもの、という感じがします。

そのような現実感の薄い人物造形を実写の現代の物語で成立させている例は、
私が観たもののなかでは、
夢千代日記の吉永小百合ぐらいしか思いつかないです。

または、
作者が作品にするにあたり心の中に映っていたものを
そのまま映像にすることができたとしても、
それを他人が見て、
共感するかどうかは別の話のような気がします。

あえて言うと、
今、幕末の物語をドラマ化するような感じで、
100年後に、昭和の終わりの物語として製作されれば、
成立するかもしれないなあと思いました。

一方、
絵里やリチャードや茂には、
自分の周りで、
街で、
たくさん出会っているように感じます。

彼らの描き方が重要なのかもしれません。


( ホットロードの感想
   http://inatt.seesaa.net/article/398821675.html )
   

(**)
瞬きもせずコミックス7巻165ページに、
(H) WA EIGA NIWA SHINAI。
という作者の書き込みがあります。
これは、ホットロードのことだと
思っていました。

(参考)
 http://www.tsumugi-taku.net/message/48.html


 
みんなで卒業をうたおう (マーガレットコミックスDIGITAL)
紡木たく

みんなで卒業をうたおう (マーガレットコミックスDIGITAL)
机をステージに (マーガレットコミックスDIGITAL) やさしい手を、もってる (マーガレットコミックスDIGITAL) 純―JUN― (マーガレットコミックスDIGITAL) 瞬きもせず 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 瞬きもせず 2 (マーガレットコミックスDIGITAL)



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2020年12月19日

【マンガ】 熱いぜ辺ちゃん 1986年



「生き方」
とは、
「辺張待ち(ぺんちゃんまち)」に対してどのような行動をとるか
ということなのかも


どんな名勝負も後ろから(紙の上で)眺めていたところで身につかない

それは作者の作品群にあまた登場する、

黒い背広に黒いサングラスの男たちを見れば分かる





福本伸行のマンガ。

第16話までは1986年〜1987年に連載。主人公は大学2年生。

「天」や「アカギ」より前の作品です。

私は掲載紙を毎月読んでいました。
現在の作者の作風とも、
掲載紙の他のいわゆる麻雀マンガとも
異なる雰囲気の作品であったことを覚えています。
かといって、一般マンガ雑誌に掲載されるような感じはしない・笑。
70年代以前の青春もの作品のような気配もあります。

第16話でいったん連載終了しています。
ということは、あまり人気がなかったのかもしれませんが、
とても印象に残った作品でした。

「アカギ」などが人気になったあと、
第17話から最終話(第21話)までは1994年〜1995年に連載。
第16話から7年経ったとされていて、作中の出来事は1994年9月。

1987年に第16話までで、全1巻の単行本になり、
1995年に最終話までの全2巻の単行本として再発行されています。
作者が「アカギ」「カイジ」などで人気作家となったあと、
初期作品をまとめたものが2004年と2008年に発行され、
本作品もあらためて出版されています。

掲載/発行年月はWikipediaからの引用


私はそのいずれの単行本も購入した記憶があり、何度もこの作品を読んでいます。

第10話(HEAT.10)「若者へ」が忘れられないからです。
いや、忘れていたことを、何度も思い出させられたからです。

物語は1986年12月24日から始まる。
浮浪者歴13年の70歳を超えたおじいさんが登場し、
余命3か月で入院するも、
何度も主人公に「おらをかつぎ出せ」と頼み、
病院を脱走し雀荘に行こうとする。

主人公は、おじいさんのことを
「自由で奔放で楽天的で」「最後まで情熱的に生き」たと考えるが、
おじいさんの死後、残した手紙を読むことになる。

反則かもしれませんが、
その手紙を全文引用します。


気が付くとボーっとしちゃう若者へ
ありふれた若者へ

70年生きて経験のある事だから話します
私は怠惰でした

よく1日頭が痛くなるまで寝ました

私は食事の後、風呂の後、酒の後、何かを3時間以上続けてした後眠くなるのです

ほとんど絶望的に怠惰な人間でした

やりたい事はやまほどあるのに体を動かす段になると億劫で結局何にもしませんでした

精神だけでフワフワ飛んでいけたら私はどんなに行動的だったことでしょう

自分が考えているよりも自分の体はズーッと重いのです
自分の重さなどという事も寝込んで立てなくなってから気が付きました

そしてその「怠惰」という重さの弊害も…
このふたつに抱きつかれたら誰だって一歩も動けません…

でも…
いいかげんなところでふっきらないといけません
なんといってもいけません
「よいしょっ」とかつぎ出して下さい
自分の体重と怠惰を…

どうもそれ位の気構えじゃないとダメみたいです

病院で動けなくなってから愚かにも私は気が付いたのです
無性に生きたくなった…
私は今までの人生がたまらなかった

私がやる気になった時もう体は動かなかったのです

未来あるみんなへ
ぜひ自分をかつぎ出して欲しいのです
怠惰と体重をふりきって…

自分を街へ
人へ夢へ
明日へ

どうかできましたら
私の事を他人事だとか特別だとか思わないで欲しいのです

私は昔
気が付くとボーッとしている若者でした
ありふれた若者でした


1980年代に大学生だった筆者は、
授業にも出ず、やりたいこともなく、
だから、テレビゲームやパチンコや麻雀をして、
(だから、麻雀マンガ雑誌を読んでいる)
このマンガの第14話に出てくる、
午前5時の歌舞伎町に佇む雰囲気がよくわかる。

そんな自分にこの手紙の内容が突き刺さりました。
自分は怠惰なんだと。
そして恐ろしく思いました。
死ぬ前に同じ思いをもつことになったなら。

作者はこの老人が特別な人と考えていないから、
この手紙を提示しているわけです。

そして、とても残念なことに、
このマンガを読み返すたび、
自分は怠惰に人生を送っている、
と思い出させられるのです。
性懲りもせず。

2020年に、10年ぶりくらいに、
また私はこのマンガのことを思い出しました。

最初にこのマンガを読んでから30年以上経ちました。
もう、忘れないよう、たびたび思い出せるよう、
自分に向け、このエントリーを作成しました。



(鬱病の人に頑張れと言ってはいけない、
ということが常識になっている今、
動き出せない人に鞭するようなことを言っているように
受け取られてしまうかもしれませんが、
それは当エントリーの趣旨ではありません)

(手紙のおじいさんに今、思うこと、
このマンガ全体のこと、
辺や山崎は今どうしているか、
福本伸行の作風の変化、
など、
まだ書いてみたい話題はありますが、
またの機会にします)

本作で主張している、
前向きに生きることと、
麻雀にのめりこむことは矛盾している・笑。

麻雀マンガ雑誌に載せるマンガなんだから、
というのは置いておいても・笑、
そんな矛盾が、
福本氏の作品の味なんだと思うのですが、

ただ、
刺激的な勝負の描写を
たくさんの人が消費することにより、
作者の作品群がメジャーになったのは、
皮肉というか、
それが世の中というか、
いろいろ思うところがあります。

カイジが、
「そうだよな、地道に生きよう」
と言ったら、話が終わる・笑

でも、
本作の最後で登場人物が手にした大金も、
結局、身につかなかったであろうことは、
断言できる・笑。


本作は私にとって、
ずっと忘れないでいたい作品ですが、


辺ちゃんやカイジをお手本に生きてきました、
なんて人はいるのだろうか...笑。





覚書

・「人は俺を見てなんかいなかったよ」(第5話)

・どんな名勝負も後ろから(紙の上で)眺めていたところで身にならない。

 それは作者の作品群にあまた登場する、黒い背広に黒いサングラスの男たちを見れば分かる。


ラベル:#これで育った
posted by inatt at 18:32| Comment(0) | 感想など・マンガ・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする