●2度観る。
私は、2度目で、
初めの、只の、どつき漫才を見ながら、
泣いてしまいました・笑。
●古田新太さんの演技が
有無を言わせないパワーに満ちていると思います。
途中まで、
「いつもと雰囲気違うな、監督が違うのかな」と思っていたのですが、
それは、古田さんが、
最初から最後まで、
レギュラー達のいつものノリとは別種のパワーを
放ち続けたせいだと思います。
●どん兵衛一門の食事の場面で、
効果音の笑い声を使って補っているのが、少し興ざめ
全般的に、ベタな効果音を多用してますよね。
●どつき漫才になじみがなかったり、嫌いだったりすると、
今回の話にノレない人もいることを知りました。
私は、関西育ちで気になりませんでした。
−−−−−
もう、本当に、大変に、「無粋」ですが、どのように感じたか言葉にします。
【前提】
・厩火事のサゲの解釈は、本来曖昧なもので、
「酒が飲めない」を本音で言っているのか、
照れや強がりで言っているのかは、
演者や聞き手しだいの部分があるし、
一人の人間の中にその両面、
「唐土(もろこし)の孔子」「麹町の猿」があるともいえる。
だから、わざと、どん兵衛師匠のサゲの解説があいまいになっている。
( 虎児は、サゲの意味を理解しないまま、
高座にかけたのかもしれない )
・まりもは、自分が癌だと知っている。
まりもは、自分への愛情の確認だけでなく、
自分が死んだ後、まりおが芸人としてやっていけるかを気にしている。
・まりおの人生(と虎児の人生)
途中まで虎児といっしょで、後は、真逆
芸人になるしかなかった男
酒よりも漫才が好きな男
笑うことと笑かすことしか必要ない人生
(さて、虎児の人生は? 彼は「今、闘っている」と自覚している)
【まりも・まるおの漫才と虎児の厩火事】
まりおは、まりもが癌と知って、どつくことができない。
まりもは、そこから、まりおの愛情を知るとともに、
芸人としてのまりおにムチを入れることに気持ちを切り替える。(*1)
まりおは、どっきりだと言われて、騙されたと思い、いったん逆上するが、
「うそなんや」「ほんまや」、と言われて、どっちなんだと迷う。
そして、
「あほか、うちは、うちは、」と
トチリながらしゃべるまりもの表情をみながら、
癌であることが本当だと察する。
さらに、
それでも、いつものように、
「うちがうそをついてるときは、顔にでます」と言って、
カツラを持ち上げるまりもを見て、
まるおは、芸人としての本分を尽くせという、まりもの真意を悟る。(*2)
そして、本気で、ネタとして、どつきを繰り出す。
蹴られて、立ち上がりながら、
芸人としてのまりおを見て、うれしそうなまりも。
まりお「おまえが、死んだらな...」
(虎児は、まりもが本当に癌であることを知らないし、
まりも・まりお夫婦が離婚せずに済んだことで満足している)
ここで、せりふの最後は、まりおでなく、虎児に、委ねられる。
客席のウケは、ほどほど。
嬉しそうな客席のまりも。まりもの癌を悟っているまりおは上の空の態度。
【「笑うことと笑かすことしか必要ない人生」】
まりもの遺影に「かんにんにん」と手を合わす、まりお。
最後にふたりが心を通じ合わせることができたことを喜び、
そのきっかけを作った虎児を
「立派な唐土(もろこし)だ」とほめるどん兵衛。
しかし、虎児は、今や、自分が何もわかっていなかったことを知った。
虎児の厩火事は、
まりも、まりおの気持ちをわかっていたわけではなかった。
一方、
まりおは刑務所のなかで、
まりもがいなくなったこれから後も、
「笑うことと笑かすことしか必要ない人生」に
どっぷり浸かっていくと心を定めていた。
「もう、やっとれんわ」と言う、直前の瞬間、
まりおは、素の表情を見せます。
まりおは、ふっきれているわけでも、わりきれているわけでもない。
それがこのエンディングをより悲しく感じさせます。
彼は、毎日、牢獄の奥から、叫んでいる、「俺の話を、聞け!」と。
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( 虎児は、毎回、エピソードから、
何事かを感じていっている、という感じですよね。
BOSS片岡から、師匠&組長から、まりお&まりもから。
対して、
竜二の方は、今のところ、進歩がなくて、ちょっとせつないですね。)
(*1)清水さんは、演技と本気のテンパリが混じったような、
それがいい味になってました。
(*2)古田さんは、表情だけで、すごい演技
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(20050602追記)
(*3)ここを言葉で何か表そうとするのが、ホントの無粋、なんだけど...
「かんにんにん」は、4回でてきます。
1回目2回目は、忍者ハットリ君?を下敷きにした、
どちらかいえば、ベタなギャグとして。
3回目のおかあさんの、愛情が含まれた「かんにんにん」を
予め見せられていることが、
最後の「かんにんにん」に、
より感情移入できる下地になっているようですね。
そういうふうに予めシナリオを書ける人は、ホントすごいと思いました。
また、1シーンの出演でそれを表現できる女優さんもすごいと思いました。
( 失礼ながら、女優さんの名前を存じません )
唐土の孔子・もろこしの孔子
ーーーー
2度目の感想 ( 麹町の猿 )
http://inatt.seesaa.net/article/398821475.html
3度目の感想
http://inatt.seesaa.net/article/398822103.html
全体の感想
http://inatt.tokyo/article/479249786.html
【関連する記事】


URL: http://inatt.paslog.jp/
DATE: 05/15/2005 6:51:04
cyrano_gasconさん、コメントありがとうございます。
>受け入れられ、周囲から感じ取っている虎と、
周りから置いていかれている竜二の対比ってやっぱりありますよね。
たしかにせつないです。
この辺りが後半で竜二にスポットがあたっていくなら、
今は、出遅れさせているだけに、
なおさら楽しみですね。期待しちゃいます。
URL: http://blog.goo.ne.jp/cyrano_gascon/e/ed4b6b4f1e447425005185451af7a9b0
DATE: 05/15/2005 0:39:00
inattさんのレビュー、楽しみにしてました。
そうなんですねえ、虎の寄席のシーン、まりおがうわのそら
なのは、彼だけがまりものガンを本当だと悟っているから
なんですよね。 そこまで目を配れませんでした。
ちょっと、辛くてなかなか2回目を見られなかったんですが、
inattさんのおすすめ通り、2回目行ってみます。
受け入れられ、周囲から感じ取っている虎と、周りから置いて
いかれている竜二の対比ってやっぱりありますよね。たしかに
せつないです。